寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

公立小中学校統合に際しての廃校の選定基準等に関する調査研究

国立教育政策研究所から、「公立小中学校統合に際しての廃校の選定基準等に関する調査研究」と題する報告書が発表になりました。

同報告書のサマリーを拝見しつつ、以下筆者が勝手にまとめを行いました。

① 小学校規模のあり方

 「現在の国の標準が適正だと考える」自治体=50.3%

 「都市部と郡部で学校規模の基準を分けて設けるべきだ」とする自治体=35.6%

 「子どもの価値観や行動様式が多様化しており、個性を尊重する指導も必要なことなどから、学校規模は、今よりも小さい規模を標準とすべきだ」とする自治体=19.4%

② 小中学校の規模の標準

 学校全体の学級数で規定する方式(現行の方式)を支持する=72.2%

 「各学年の児童生徒数の標準を定める方式への転換」を支持する=17.8%

③ 学校統廃合の対象地域・対象校の選定の仕方

 「減少の著しい地域を選定」=66.1%

 「統合後の通学保障のシミュレーションを基礎に」=52.6%

 「自治体の総合計画の一環として検討を進める」=46.4%

④ 廃校となる学校の選定

 「児童生徒数の少ない学校を選定」=59.1%

 「通学保障を優先し、道路の状況や通学距離・時間を勘案」=57.9%

 「コミュニティ施設の総合的な配置計画を基礎に選定」=27.2%

⑤ 学校統廃合に関連した情報の提供の仕方

 「保護者や地域住民等が参加した審議組織の答申に学校統廃合の方針、対象地域、対象校すべてを盛り込む」=58.1%

⑥ 小中学校の規模縮小が継続した場合の対処の仕方

 「困難はあっても適正規模の維持を基本として統合方策を進める」=63.4%

 「学校規模の小ささを生かす」=26.8%

 「生涯学習施設などとの複合を進め、児童生徒数の減少が限度に達するまで維持を図る」=26.2%

⑦ 20 年後の小中学校配置についての基本的な考え方

 「適正規模の維持を優先し、バス通学や寄宿舎等の導入を進める」=40.9%

 「標準学校規模の維持を基本にしながらも、地域によっては通学条件や文化拠点・防災拠点としての性格を優先して臨むべきだ」=40.5%

⑧ 公立幼稚園の統廃合実態

 「実施した」自治体=34.2%

 「実施していない」自治体=34.2%

保育所との関係での幼稚園の再編成

 「幼稚園と保育所とは制度的性格が異なるので、幼稚園の配置と保育所の配置とは切り離して検討する」=47.9%

少子化傾向が明確になってきた今、今後の学校の存廃に関して議論になるのは当然のことかもしれません。以前から申し上げているように、学校がなくなること=帰る場所を失う子どもたちが出てくること、という捉え方も必要だと感じます。特に私学は存廃の議論などせずに済むよう、経営に関し十分な議論とてこ入れをお願いしたいと思います。(JTC/吉田俊也)