読売新聞2011年3月2日(水)09:57
【クライストチャーチ=稲垣収一】ニュージーランド・クライストチャーチを直撃した地震の被災地で、地元の大学生らによる震災ボランティアの輪が広がりを見せている。
会員制交流サイト「フェイスブック」での呼びかけが共感を呼び、今では日本人留学生を含む約1500人が連日、活動に参加している。
活動を主催しているのは、地元カンタベリー大学の学生らでつくる民間活動団体(NGO)「スチューデント・ボランティア・アーミー」。もともとは昨年9月に市内周辺で発生した地震での被災地支援を目的に設立された。今回の地震で、新学期が始まったばかりの同大学の授業が休講となり時間ができたこともあって、先月24日に活動を再開した。
コーディネーターのモーガン・ペリーさん(22)らが団体のフェイスブックなどで参加を呼びかけたところ、友人の輪を通じて他大学や高校にも広がり、当初数百人だった参加者は現在、約1500人に。学生たちは連日、約10台のバスに分乗して被災地の住宅街に入り、液状化現象で路上や民家の庭でぬかるんだ泥を除去している。
日本や韓国などの留学生も地元の学生に交じってスコップを握る。先月26日に初参加した同大留学生の大谷昌史さん(24)(大阪府出身)は小学生時代、1995年の阪神大震災の揺れを経験したといい、「自分も一歩間違えば、巻き込まれる可能性があった。この国のために、貢献ができてうれしい」と汗をぬぐった。
ボランティアが教えてくれることは本当にたくさんあると思います。このような活動の広がりは未来に大きな希望を与えてくれると確信しています。本当に嬉しいニュースです。(JTC/吉田俊也)