寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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和歌山市、18年ぶり新設小…開発進む大阪府県境、児童急増

 大阪府との府県境で大規模な宅地開発が進む和歌山県和歌山市の「和大学園前ふじと台」で、今春新設される「藤戸台小学校」の校舎が完成した。

 同市では児童数が年々減少しており、小学校の新設は1993年の有功東小学校以来18年ぶり。これまで、貴志小学校区となっていたが、児童数がこの数年で1・5倍以上になっており、当初の予定より1年早く学校を新設し、17学級、約530人で開校することになった。

 2003年に宅地分譲が始まったふじと台には、既に約1000世帯約4000人が暮らす。ふじと台を校区に持つ貴志小は、02年の516人だった児童数がが、10年には855人にまで増えた。

 市内の総児童数は、02年の2万893人が10年には1万9188人と1割近く減る中、貴志小では、07年にプレハブの4教室を中庭に建てて対応する事態になっており、市は藤戸台小の開校計画を1年前倒しすることにした。

 藤戸台小は、敷地面積は2万252平方メートルで総事業費127億円。普通教室24室や特別教室8室などが並ぶ2階建て5866平方メートルの校舎は軽量鉄骨造で、通常の鉄筋コンクリート造に比べて建設費を4割程度節減できたという。

 教室の床や腰壁などには、紀州材を使用。児童らに地元の良さを体感してもらいながら、地元産業の振興を狙った。また、市内の小学校では初めてエレベーターを設置。多目的室は35畳の広い和室とし、地域住民にも利用してもらいやすくした。

 開校までに校舎、体育館、グラウンドの整備を終えるが、プールは13年度中に完成する予定。15年度の児童数は約730人を見込んでいる。

 学校用地は、宅地開発全体を担い、学校建設にも関わる和歌山市の浅井建設グループが寄贈した。

 同グループの浅井瑛介会長(70)は「ふじと台に暮らす子どもの多くはまだ小学生。街の中に小学校が誕生することで、住宅地として本格的に評価してもらえるようになるのではないか」と早期開校を歓迎。ふじと台は最終的に3万人の居住を目指しており、「街に子どもたちの姿があり、お年寄りが寂しくない街を目指したい」とする。

 市教委教育施設課は「今後も生徒増が見込まれる貴志小はパンク寸前だったので、藤戸台小を早く開校できてよかった。新しい校舎で、のびのびと育ってほしい」としている。

(2011年1月21日 読売新聞)

全国的に少子化が進んでいるところ、このような地域もあるんですね。新たな宅地開発が行われれば当然あり得る話ではありますが、ここのところこのような記事に出会っていなかったので驚いています。生徒募集に苦労する私学も多いと思いますが、例えば市町村等との連携によってより良い経営環境のもとで学校経営を行うという意思決定もあっていいのかもしれません。「良い経営環境」というのはすなわち「ニーズがある地域」とも言えなくはないでしょう。そのニーズをきちんと把握することができるか、というところで学校経営のアンテナの高さが問われます。(JTC/吉田俊也)