寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

大卒内定9年ぶり減

新年度の就職に関するデータです。

日経新聞より。

 

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日本経済新聞社が(10月)15日まとめた2020年度の採用状況調査で、主要企業の大卒採用の内定者数(20年春入社)は、19年春入社数と比べ0.5%減だった。前年実績を下回るのは9年ぶり。銀行・証券がともに2ケタ減と採用抑制を続けていることが響いた。景気の不透明感が強まり採用に慎重な企業も増えている。

 

この調査は主要企業1035社が対象で、924社から回答が得られているとのこと。

大卒者には大学院卒も含みます。10月1日時点の内定者数に関する情報です。

 

 

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9年ぶりの減少、となっていますが、9年前は2011年。

この年はリーマン・ショックの影響が残っていて、

企業が採用を減らしていた年だそうです。

 

ただ、今回の状況は当時とは異なります。

それは、業界による増減が明暗はっきり分かれているからです。

イノベーション(技術革新)の波に直面するのが金融業界だ。銀行は11.1%減、証券は26.4%減といずれも2ケタ減。長引く低金利による収益環境の悪化に加え、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの活用による単純業務の自動化が進むためだ。

 

銀行や証券と言えば、私たちの世代は花形ともいえる就職先でしたが、

時代が変わったようですね。

 

ちなみに、全体の集計から銀行と証券を除けば、内定者数は1.1%増。

だいぶ見え方が変わります。

 

さらに、今回調査では53.8%の企業が当初の採用計画と比べて

実際の内定者数が未達となった、と記事には書かれています。

これまで人手不足が続いてきた業界でも、採用では量だけを追わずIT(情報技術)などのスキルを重視する企業が増え状況は変わりつつあるようだ。

 

 

さて、貴校園の教職員採用は順調でしょうか。

一般論とはいえ、やはり学校現場の人手不足は相変わらず深刻です。

業界を挙げての人材確保、

そのためには就業環境の改善がやはり重要なのかもしれませんね。

 

(文責:吉田) 

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国際バカロレア認定校 3倍に

IB、国際バカロレア

かなり広がってきているようですよ。

日経新聞より。

 

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国際バカロレア機構(スイス)の認定校が国内で徐々に増えている。国際性や探究心などを重視した同機構の教育プログラムを実践する学校で、文部科学省によると2019年7月時点で延べ102校。13年4月時点の37校の3倍近くに増えた。

 

 

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グラフの長さを見ると、直近の1年半でかなり数が増えたようですね。

特にPYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)の増加が顕著な気がします。

 

以前訪問した私学でも、IB導入に向けた準備をされていましたが、

結構お金がかかるんですよ、とおっしゃっていたのが印象的でした。

人材配置はもちろんのこと、認定料(加盟料)のようなものが

わりあい高額だとそのときはお話しいただいたのですが、

現在もそうなのでしょうか(情報がなくてすみません)。

 

少し驚いたのは、文科省もIBを推奨しているということ。

こんなHPがあるのをご存知でしょうか。

ibconsortium.mext.go.jp

 

 

文科省HPには、

文部科学省では、グローバル人材育成の観点から、

 我が国における国際バカロレア(IB)の普及・拡大を推進しています」

と書かれています。

特定の教育プログラムについて国の役所が推進するというのは

少し不思議な気もしますが、そういうものなのでしょうか。

 

各私学では特色化の中でこのIBが検討対象に上るケースもあるかと思います。

建学の精神に照らし、また貴校園の強みも踏まえつつ、

ご検討いただければと願っております。

 

(文責:吉田)

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対話型授業 スマホ一役

「デジタル」な話題が2日続きますがご容赦ください。

なんと授業にスマホを活用?という話題です。

日経新聞より。

 

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神奈川県は全ての県立高校で、生徒が私物のスマートフォンなどを学習に利用できる環境を整える。先行導入した県立生田高校(川崎市)の小原美枝総括教諭は、授業を対話型に変える上でスマホなど情報機器の効果は大きいと指摘する。

 

県教委の指揮のもと、県内のすべての高校で、というのもすごいですね。

その自治体は神奈川県です。

今年9月には、県立高校など全144校で、

無線LANとインターネット回線の設置がほぼ完了し、

BYOD(Bring Your Own Device)の環境が整ったそうです。

 

BYODは生徒が各自のスマートフォンタブレット端末を学校に持ち込むため、

学校が端末を買い与えたり、各家庭が新たに購入したりする必要がないため、

トータルコストとしては安価になることが期待できます。

昨日のブログでも紹介しましたが、

ICT活用の大きな課題となりがちな「予算確保」の面で、

BYODは検討すべき方式と言えるでしょう。

 

ただ一方で、特にスマホはその使い方に注意を要します。

年頃の生徒たちにとっては凶器にも代わり得るツールですので、

使用のルールが重要になります。

この記事で登場する県立高校では、

・毎日スマホを持参する

・充電は自宅でする

・端末は自己管理

ウイルス対策は各自で行う

・ユーザーIDとパスワードは絶対に他人に教えない

・黒板の撮影は構わないが、SNS上での授業に関するつぶやきや動画の配信は禁止

・他人のIDの不正利用やハッキング行為、悪口の投稿厳禁

といったルールが定められているそうです。

4月に行う1年生向けのオリエンテーションの中でルールを徹底し、年2回の携帯電話教室と合わせて情報モラルを指導している。当初「授業中にスマホで遊ばないか」「スマホによる生徒同士のトラブルが増えないか」などが懸念されたが、授業規律の乱れや大きな問題は起きていない。

 

これに続けてこんなことも書かれています。

本校を視察に訪れる高校関係者からは「授業でのスマホ活用はハードルが高い」との声が聞かれる。スマホに関し「授業中は出さない」「校内ではかばんにしまう」といった規則のある高校が多いようだ。安全な学校生活のため規制が必要だという思いは理解できる。

だが高校生のスマホ所有率は9割を超え、校門を一歩出ればスマホを使う。学校での使用を禁じて校内だけを安全にするよりも、モラルやマナーを指導し、効果的な使い方を考えさせる方が生徒に有意義ではないか。

 

貴校園ではどのように考えられますでしょうか。

臭い物に蓋をするのではなく、むしろ使い方を適正化するという考え方は、

私学にむしろ推奨されるべき考え方のようにも思われます。

 

当初からはかなり後退した感のあるものの、

高大接続改革においては、今後の大学入試において

高校での活動を記録したポートフォリオの利用、あるいは

コンピューターを使った試験が想定されています。

そして実社会ではスマホなしの生活はもはや考えにくい状況でもあります。

どのように使いこなすか。

教育のステージはすでにそこにあるのではないでしょうか。

 

 

追伸:つい先日にはこんなニュースも流れました。

スマホを使うことに関しては、生徒側にもそうであるように、

教員側にもモラルが求められることは言うまでもありません。

headlines.yahoo.co.jp

 

 

(文責:吉田) 

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プログラミング教育の課題

今やすっかり定着した感のあるプログラミング教育。

各私学でも取組が進んできていることが弊社にも伝わってきております。

そんなプログラミング教育の課題はやはり…

日経新聞より。

 

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2020年度に小学校で必修化されるなど導入が進むプログラミング教育で、教員らの62%が「予算不足」を感じていることが分かった。ブロック玩具メーカーのレゴ(デンマーク)傘下のレゴ・エデュケーション(東京)が8月、同社のイベントに参加した小学校から大学までの教員や教育委員会の職員286人から回答を得た。

 

 

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結果は上記グラフの通り。

回答者の属性が小学校から大学、教育委員会職員と広くなっているので、

サンプルが十分といえるのか分からないのですが、

それでもトップは「予算が足りない」。

人の手配、危機の手配、環境の整備…確かにお金はかかりそうです。

 

2位以下もグラフの通りなのですが、

「授業時間数が足りない」(54%)

「情報が足りない」(34%)

がかなり高率になっているのも気がかりです。

 

授業時間数が足りない、というのは他の科目との兼ね合いもあるのでしょうね。

小学生も忙しい毎日を送らざるを得ない現代、

手段が目的化しないように十分留意が必要です。

 

そして「情報が足りない」という回答が3分の1に上っています。

新しい教育内容は少々見切り発車的になっているように感じる昨今、

現場には適切な情報提供、情報共有が求められそうです。

 

さて私学、貴校園でのプログラミング教育はいかがでしょうか。

やはり最大の課題は「予算をいかに確保するか」でしょうか。

 

新たな教育内容に取り組む際はもちろんのこと、

限られた資金をどこに振り分けるのかを考えるのは

「予算編成」が担う役割です。

私学ではほぼ必ず、予算が存在するはずです。

それがどれだけ機能しているか。

やるべきこと、やりたいことが多いほど、

予算の重要性は高まるはずです。

 

これからの時期、予算編成は私学にとって最重要とも言えるテーマです。

ぜひ魂のこもった予算を作り上げてくださいね。

 

(文責:吉田)

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11月がスタートしました

広く水害に見舞われた10月が終わり、今日から11月。

夏から秋にかけては雨風の心配が必須になっている近年の天候ですが、

貴校園の施設設備管理は万全でしょうか。

点検が十分ではないというケースがあれば、

冬がやってくる前にぜひともお済ませいただきたいと思います。

なにせこれから学校は長い繁忙期に入っていきますので…

 

さて今月も弊社では学校経営セミナーを開催させていただきます。

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昨年度の開催では早い時期に定員いっぱいのお申込みになってしまい、

多くの方にキャンセル待ちいただいたのですが、

結局キャンセルもほとんど出なかったためにご迷惑をおかけしました。

そこで今年も、副題を少し変更して再登場。

残り少なくはなっていますが、今年はまだ若干空席がございます。

 

お申込みはこちらからどうぞ。

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今年のセミナースケジュールを発表させていただいた年度初め、

昨年度分に参加したかったのにできなかった、

という方々からお申込みが。

半年以上前にお申込みをいただけるとは…

そのご期待に沿えるよう、全力で準備を進めていきたいと思います。

 

ちなみに、これが今年度最後の開催となります。

私学を変えるのは事務室から。

事務室の業務効率化の「一歩目」をご一緒に考えてみませんか。

 

今回のブログは宣伝ばかりになってしまいました。すみません。

今月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:吉田)

出生数90万人割れへ 推計より2年早く

少子化、そして人口減少の流れは想定よりも早く進んでいるようです。

日経新聞より。

 

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日本の出生数が急減している。1~7月は前年同期に比べて5.9%減り、30年ぶりの減少ペースとなった。団塊ジュニア世代が40代後半になり、出産期の女性が減ったことが大きい。2016年に100万人を下回ってからわずか3年で、19年は90万人を割る可能性が高い。政府の想定を超える少子化社会保障制度や経済成長に影を落とす。出産や子育てをしやすい環境の整備が急務だ。

 

「急減」という文字に今さらながら驚きます。

前年同期においては減少幅は2.0%。

これが5.9%に拡大しているというのは確かに急激な変化です。

 

 

 

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政策においては「2025年度に出生率1.8」を目指しているようですが、

現実はそうなっていないとのこと。

記事によれば、2018年の合計特殊出生率は1.42で、

数字が上がるどころか3年続けて下がっています。

出産適齢期の女性人口の減少はもちろんのことですが、

理由はそれだけではないような気もするのですがいかがでしょうか。

 

さて、出生率が下がり、さらに少子化に拍車がかかるとすると、

私学にとってはますます既存のマーケットが縮小する危険性が高まります。

 

貴校園の永続のために、よりいっそう知恵を絞る必要が出てくることでしょう。

 

ここ数年で生まれた子供たちが入学してくるのは

それほど遠い未来の話ではありません。

今からその頃のことを考えておくことも決して早すぎることはないでしょう。

中長期の貴校園のすがたを真剣に描いてみていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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大学新「課程」 学部横断で

中高ではより良い教育環境整備のため、そして生徒募集対策にも資するため、

時折コース再編などが行われます。

大学では学部学科等の再編がそれにあたると言えるかもしれませんね。

その姿は今後大きく変わって行く…のでしょうか。

日経新聞より。

 

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人工知能(AI)の技術革新といった社会の急速な変化に対応するため、文部科学省は大学の学部の枠を超えた「連携課程」の設置を可能にする。8月に大学設置基準を改正した。複数の学部の教員が兼務する形で同課程の講義などを受け持ち、新設手続きも学部新設より簡略化して最短で2カ月と迅速になる。学部横断の教育研究を推進し、学生や産業界などの期待に応える。

 

 

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上の図のように、2つの学部の教員と学生を共通させる形で、

より複合的な学びを深めることができるようにする、

というのが今回の改正主旨のようですね。

時代の変遷とともに、既存の学部や学科というカテゴリでは収まらない

学問の究め方が必要になってきていて、

その都度学部や学科の再編という大掛かりなことをやっている時間はない、

ということなのかもしれません。

 

今回のような考え方で設置されるのは「課程」と呼ばれます。

今後、大学では「○○課程」が増えていくのかもしれませんね。

その中には今回ご紹介した「連携課程」も数多く登場するかもしれません。

 

さて中高はどうでしょうか。

専門性、という意味合いは大学ほどはないと思いますが、

それでもこれまでの「コース」より柔軟性の高い編成が進む、

ということはあり得るのかもしれませんね。

冒頭で少し触れましたが、ともするとコース再編の主目的が

生徒募集対策にある、なんてことも起こりがちな昨今です。

手段が目的を食ってしまうようなコース再編ではなく、

本当の意味で教育環境整備が進んでいくことこそ、

私学の進取の精神が活きることへとつながり、

ひいては私学人気へとつながっていくのではないでしょうか。

 

(文責:吉田) 

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