寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

給与、脱・現金

給与の支払方法も多様化していくのでしょうか。

こんな記事が日経新聞に掲載されました。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

厚生労働省は企業などがデジタルマネーで給与を従業員に支払えるよう規制を見直す方針を固めた。2019年にも銀行口座を通さずにカードやスマートフォンスマホ)の資金決済アプリなどに送金できるようにする。従業員が現金として引き出すことができ、資金を手厚く保全することなどが条件。日本のキャッシュレス化を後押しする狙いで、給与の「脱・現金」にようやく一歩踏み出す形だ。

 

ご承知の通り、給与の支払は労働基準法において

「通貨で直接、労働者に全額支払うこと」

と規定されています。

その後、時代の変遷に連れて「銀行振込」が認められ、

このたびこれに「デジタルマネーでの支払」が加わるかもしれない、

ということです。

 

以前にご支援した学校法人さんで、

・給与を未だに現金支給されているケース

・1回の給与を複数の銀行口座に分けて振り込んでいるケース

・給与と賞与の振込口座が異なるケース

等が混在していて、事務処理が非常に煩雑になっている場面に出くわしました。

これがここ数年の出来事であるというのが驚きだったのですが、

やはり時代が変化していることを理解しておかねばなりませんね。

 

貴校園での給与支払は現状、どのようになっているでしょうか。

事務の効率化という観点からは、

改善することで大きな効果が生まれるのが給与処理です。

この機会に見直してみてはいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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奨学金支給と教育費未納問題

学費の未納が増えているのでしょうか。

日本経済新聞にこんな記事が掲載されていました。

 

www.nikkei.com

 

教科書代など授業料以外の教育費に充てる「奨学給付金」を保護者に支給したのに、教育費未納を理由に除籍や出席停止などの不利益処分を受けた高校生が、12府県で2014~17年度に193人いたことが22日、会計検査院の調査で分かった。

保護者に給付金を支給したのに、学校に支払われなかったケースが多いという。検査院は報告書で文部科学省に給付金の支給方法を改善するよう指摘した。

 

学費未納、という理由で生徒の学習の機会や卒業資格が失われるのは

何とも哀しいことです。

一方で、学費のために支給されたお金がそれに使われないというのも

問題があることには違いありません。

 

検査院は「給付金が教育費に確実に活用される仕組みが必要だ」として、代理受領の制度化などを文科省に促した。同省高校就学支援室は「システム改修や事務手続きの煩雑さなどの理由で制度化していない自治体がある。引き続き、代理受領の活用に取り組みたい」としている。

 

景気は良い、あるいは良くなってきているとの統計や報道もありますが、

家計の状況はそれほど良いわけではありません。

さらに各家庭のモラルが問われるようなケースもあり、

教育費の支払いが滞るケースは多くなっています。

 

私学は経済面では多少なりとも余裕のあるご家庭が多い、

とも言えますが、それでも私の感覚では未納や滞納の割合は

増えてきているように感じます。

今後に向けては、教育内容の充実はもちろん、

このような未納対策も必要になってくるのかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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品川区、全小中学校の体育館に冷暖房

今年の夏も暑さが厳しかったですね。。。

と、すでに涼しくなった今ではなかなか思い出せないほど、

人間というのは「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ものだなあ、

と苦笑している私です。 

 

さてその夏の暑さはもはや災害レベル。

そして、同時に本当の災害が起こることも珍しくなくなってきた昨今。

東京都品川区ではこんな取組が計画されているようです。

日経新聞より。

www.nikkei.com

 

東京都品川区は区立の全小中学校の体育館に冷暖房を導入する。熱中症などの健康被害から子どもを守るとともに、災害時の避難所に施設を使う際に寒さや暑さをしのげるようにする。2018年度に改修に必要な調査などを実施し、19年度から工事を順次進める計画だ。

 

公立校の施設の充実度が高まってきています。

避難場所としての存在感も相まって、

予算計上が促進されやすい環境にあることも一因でしょう。

 

これに比較すると、私学はかなり厳しい状況です。

耐震についても校舎そのものについては施工が進みましたが、

天井等の非構造部材についてはそこまでではありません。

そしてここへきて体育館の冷暖房です。

予算の多くを自ら捻出せねばならない私学にとって、

これからその工事を、となると簡単ではないでしょう。

今後の予算編成に特に留意が必要です。

 

(文責:吉田)

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教員勤務実態調査より

少し前に発表になった調査結果です。

文部科学省HPより。

 

教員勤務実態調査(平成28年度)の分析結果及び確定値の公表について(概要):文部科学省

 

今回の調査結果はなかなか充実していて、

こんな情報もアップされていますよ。

 

教員勤務実態調査(平成28年度)の分析結果について

 

以下、気になるものを少しだけ見ておきましょう。

 

まずは勤務時間について。

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どうでしょうか?

結構興味深い結果が出ているように思います。

 

個人単位での分析では役割という要素が大きいことが分かります。

ついては、役割分担を変える、あるいは組織図を変えることが

長時間労働の是正に役立つことが期待できますね。

 

学校単位では行事や部活動などの影響が大きいようですね。

出勤管理の有無もやはり重要な要素になっているようです。

教諭ごとの個人差が大きい業務を見ても、同様の傾向に気づかされます。

 

もうひとつ、メンタルヘルスについても見ておきましょう。

 

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ここでも勤務時間の長さが重要な要素であることが分かります。

 

教育には時間が必要、ではありますが、

教職員もひとりの人間ですから、

時間をかけること以外の方法についてもしっかり考えねばなりませんね。

 

(文責:吉田)

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財務省、来年から部下が上司評価

公務員の人事考課に関する話題が報道されました。

日本経済新聞より。

 

www.nikkei.com

 

 財務省は学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書の改ざん問題などを受け、再発防止に向けた省内改革案をまとめた。部下が上司を人事評価する「360度評価」を2019年中に導入するほか、職員が不正を告発する内部通報制度を整備する。上意下達とされてきた風土が不祥事につながったとの反省を踏まえ、法令順守を徹底する組織に立て直す。

 

360度評価は私自身も前職時代に数年間実施した経験があります。

人事考課制度はその種類を問わず、一定の時間が必要になりますが、

360度評価は特にそのことが顕著で、集計担当者に大きな負荷がかかるのも特徴です。

なぜなら、通常の人事考課であれば考課者にその結果が伝わって当然なところ、

360度評価では匿名性が適正評価の肝になるため、

匿名性を維持したまま評価結果をまとめ、

評価に付されたコメントを集約していかねばなりません。

誰かが上司に対して芳しくない評価をして、

それが基で人事が采配されたら…やはり匿名性は必要です。

財務省の場合は

「その人に出てきてもらって説明してもらおうじゃないか」

ということになるかもしれませんが。

 

 360度評価は、上司が部下を評価するだけでなく、同僚、部下など立場が異なる複数の関係者で複眼的に対象者を評価する方法。部下による評価は外務省や経済産業省などで導入済みで、財務省は19年中の本格運用をめざす。地方組織にも適用する。

 

さてこれで森友問題のような事件が根絶されるのでしょうか。

今後の財務省に注目ですね。

そして今回の記事で360度評価にご興味を持たれた方は、

ぜひとも慎重に検討していただければと思います。

(いつでもご相談ください)

 

(文責:吉田)

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子供の学習費調査に関する研究会 検討のまとめ

子供の学習費調査、ご存知でしょうか。

教育に対する支出の状況を知るため、

私学にとっては重要な統計のひとつであると感じております。

その調査に関する改善プランが、文科省から示されました。

 

これからの子供の学習費調査に向けた改善プラン:文部科学省

 

本プランの概要について上記リンク先に記載がありました。

大きく3つの項目から成っています。

 

まずは1つめ、「調査事項の現代化」についてです。

学校外活動費の調査項目「国際交流体験活動」(留学等に対する家計支出)を新設
学校教育費の調査項目「修学旅行・遠足・見学費」を「修学旅行費」と「校外活動費」に分割(→修学旅行費と校外活動費を個別に把握・集計可能に)
世帯に関する質問「生計を一にする保護者等」を新設(→学習費支出とのクロス集計を通して、ひとり親か否かによる学習費支出状況の差を把握可能に)

国際交流、校外活動など、今後に向けた教育施策の方向性も垣間見えますね。

こういったことから国策のトレンドを知ることもできそうです。

 

次に「統計精度向上に向けた標本設計の再構築」について。

抽出・結果集計に使用する市町村人口規模区分を見直し(将来人口推計に基づく調整)、高等学校の学科区分を見直し(総合学科及び「その他の専門学科」の生徒数増等を受けた調整)
私立小学校の全学校調査をやめ、3集団化による交替での調査実施学校選定へ
私立小・中学校の学校抽出基準を「授業料と施設整備費等の合計額(初年度以外の学年における金額)」に変更
学年の規模が小さい(学校抽出基準に満たない)学校も調査対象とできるように変更
目標精度(学習費総額の標準誤差率1.80%等)に基づき、全学校種の調査対象数を再設定(→目標に満たない学校種の精度向上に向け調査対象を拡大(全国約1,600校、約5万3千人へ))

これは統計に対する信頼度を上げるために必要なことですね。

個人的には赤文字にさせていただいた点がなるほど、と思わされました。

初年度か初年度以外か。後者の方が基準としては適切な気がします。

 

最後に、「回答者負担軽減のための調査手法見直し」について。

調査事項の絞り込み(→より分かりやすい調査票に改善し、回答の分量も削減)
 初年度学校納付金(入学金・初年度施設整備費等)の回答欄を独立
 学校教育費の調査項目から「入学検定料」を削除、及び学校外活動費の小々分類(有形財とサービスの別)を全て削除
 学校教育費の調査項目「後援会等会費」を新設
保護者調査票と学校調査票の2調査票による調査手法を廃止、保護者調査票に一元化(→学校の回答負担軽減、学校納付金等の把握正確化)
保護者調査にオンライン調査を導入(→学校・都道府県の事務負担軽減、保護者は手軽に回答可能に)
 紙方式とオンライン方式を併用、保護者が選択可能に
 オンライン方式は政府統計共同利用システムを利用

末尾にあるように、オンライン調査の導入が挙がっております。

手間を考えれば当然のことで、今ごろになって?と驚きます。

もし皆様の学校園において実施されている調査や意見聴取等が

紙のみ、となっているようであれば、方式の検討は必須でしょう。

 

今後はエビデンス(根拠)に基づく政策決定が進められていく予定です。

(EBPM、というやつですね)

私たちも賢く統計を活用していけるといいですね。

 

(文責:吉田)

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バイト時給、2.4%高

久々に給与水準に関する最新情報をお届けしましょう。

日本経済新聞より。

 

www.nikkei.com

 

 求人情報大手のリクルートジョブズが15日発表した三大都市圏(首都圏・東海・関西)の9月のアルバイト・パート募集時平均時給は、前年同月比2.4%(24円)高い1036円だった。10月の最低賃金改定に向けて時給を引き上げる企業が増加。低時給が多い販売・サービス職で特に影響が大きく、時給は過去最高を更新した。

 販売・サービス職は同3.3%高い1031円だった。コンビニなどで引き上げの動きが広がった。百貨店などで年末商戦向けの募集も増えた。

 同業大手のパーソルキャリア(東京・千代田)が同日まとめた全国の9月のアルバイト・パート募集時平均時給は、同2.1%(21円)高い1042円だった。

 

都市圏の時給は完全に4桁の時代に入ってきたようです。

職種別で見た場合、例えばコンビニでは最低賃金での募集も多いところ、

今回の集計では、時給単価引き上げの動きがみられたとのことです。

 

最低賃金自体もどんどん上がっており、

採用単価はここのところ急激に上昇しているように思います。

各校園におかれましては、今一度内部規程をご確認いただき、

採用力に問題はないか、法令違反はないか等、ご留意いただければと思います。

 

(文責:吉田)

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