寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめ

ちょうどひと月くらい経ちましたが、

中央教育審議会の大学分科会、将来構想部会において議論が進められてきた、

今後に向けた高等教育のすがたについて、中間まとめが発表されました。

 

今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめ(平成30年6月28日 将来構想部会):文部科学省

 

概要を以下に示します。

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いろいろと書かれていますが、大きなポイントになりそうなのが

左段の中ほどにある

「教育の質の保証と情報公表」

ではないでしょうか。

 

教育の質の保証のためには教学マネジメントの確立が必要である、

とされています。

そして、今回の中間まとめ本文では以下のように記されています。

教学マネジメントの確立

○ 各大学は、自ら設定した「三つの方針(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)」に基づく教育について、その成果を評価するための質的水準や具体的な実施方法などを定めた方針(アセスメント・ポリシー)を策定・活用し、自己点検・評価を実施した上で、教育の改善・改革に繋げることが重要である。このようなPDCA サイクルは、大学全体、学位プログラム、個々の授業科目のそれぞれの単位で有効に機能している必要がある。

○ その上で、各大学の教学面での改善・改革に係る取組を促していくために、必要な制度改正に加え、各大学における取組に際してどのような点に留意しどのような点から充実を図っていくべきかなどを網羅的にまとめた教学マネジメントに係る指針を、大学関係者が参画する大学分科会の下で作成し、各大学へ示す。

3方針はかなり定着した感もありますが、

その方針実現のためのPDCAをちゃんと回しなさい、

ということなのでしょうね。 

 

そして情報公表についても本文には以下のように記載されています。

情報公表

○ 教学マネジメントの確立に当たっては、学生の学修成果に関する情報を的確に把握・測定し、教育活動の見直し等に適切に活用する。また、各大学が地域社会や企業等の大学の外部からの声や期待を意識し、積極的に説明責任を果たしていくという観点からも、大学全体の教育成果の可視化の取組を促進し、公表する。

○ また、学修成果や教育成果の可視化に留まらず、大学教育の質の向上に係る情報を積極的に把握・公表していくことが重要である。学修成果や教育成果の可視化に係る情報と併せて、情報によっては大学に新たに義務付けしたり、取組の参考となるよう把握や活用の在り方等について教学マネジメント指針の中に提示したりするなど、情報公表を促進する。

上記のPDCAサイクルの中の「C」(Check)の機能を

ここで担保するのでしょうね。

大学選択の際のひとつの基準にもなり得るのか…関心は尽きません。

 

高等教育において制度化されたものは初等・中等教育においても

時間差で制度化されることが多いものです。

高等学校法人等の皆様にもぜひ内容の把握をお勧めいたします。

 

(文責:吉田)

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幼児教育の実践の質向上に向けて

文科省HPより。

 

幼児教育の実践の質向上に関する検討会(第3回) 配付資料:文部科学省

 

今回の配布資料の中に、

幼児教育の実践の質向上における私立幼稚園等の現状と課題

というものがありましたので、興味をひかれて覗いてみました。

資料そのものは総論のみ、といった印象でしたが、

中に以下のようなスライドが入っていました。

 

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この図は現状の私立幼稚園における研修の全体像を

分かりやすく示してくれていると感じます。

この図で頭を整理しながら、私自身が

幼稚園に関与させていただく中で感じている

「人材育成」の課題を整理してみました。

 

1つは、外部研修への意欲・意識です。

園によって、あるいは個々の管理職によっても、

その意欲や意識には大いに差があると感じます。

園の風土として、せっかくの研修機会があるなら

積極参加しよう、という雰囲気が作られるといいですね。

 

2つめに、内部研修の実施です。

園内での研修は時間確保が難しいこともあり、

消極的な園が多いように感じています。

外部研修も有用ではありますが、最良の研修機会は

自園に合ったものをカスタマイズして実施することで得られます。

そのような機会が増えるといいのですが。

 

3つめに、外部研修のフィードバックです。

外部研修を受講した後、園内に質の高いフィードバックが行われているかどうか、

について確認することが必要です。

単にレポートを提出するのみにとどまらず、

自園に即した形での共有化がなされ、それが日常に活きてくると、

外部研修がより有用に機能しますし、

その後の研修参加も積極的になされるようになるのではないでしょうか。

 

夏休みの時期にも多くの研修会が予定されていると思いますが、

今一度、自園における研修のあり方について、

さらには研修の活かし方についても確認してみてくださいね。

 

(文責:吉田)

 

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小中学校の施設整備

以前にもこのブログでご紹介したことのある、文科省設置の

「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」。

今年6月に開催されたその会議において、

「小中学校施設部会」

が立ち上がり、同時開催されました。

その際の議事要旨と配布資料が掲載されておりましたので、

本日はそのご紹介です。

 

学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議(平成28年度~)(第5回)・小中学校施設部会(平成30年度~)(第1回)合同会議 議事要旨:文部科学省

 

今後に向けた施設整備の在り方についてまとめた資料を掲載いたします。

 

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少子化の中で、学校施設の整備をどのように進めるのか。

これは特に公立校における非常に大きな課題です。

今回の会議での発言要旨の中から、

私学においても着眼しておくべき事項について抜粋して以下、掲載いたします。

 

○学習指導要領の改訂を踏まえた授業の質的改善について,ハード面でどのように支援できるか考えていかなければならない。ソフトとハードを結び付けるコーディネーター役を担う人材や組織の在り方を検討していくことも必要

○学校現場としては,外国語活動や教員の研修,地域との交流活動ができるような,ある程度の広さがあり,大きさを変えることができる多目的スペースがあるととても使い勝手が良い

○近年,理科の実験は,機械が行った結果を考察するという方向に変わってきている。理科教育の充実をうたうのであれば,小学校の段階から,このような理科実験に対応できる施設を考えていく必要がある

○東京都では広域通信制に通学する生徒が増える傾向がある。今後,中学校等でもICTを活用して遠隔地での教育が進展した場合,施設面でどのように対応していくのか,という観点も無視できなくなるのではないか。

グローバル化が進展し子供の多様化が進む中で,それに対応する教員が十分に勉強や研修を行える環境づくりが重要ではないか。

○地域にとって学校はなくてはならないものであるが,小規模校では,室名にとらわれた学校を整備すると児童の数に比べ施設面積が大きくなってしまう。小規模校において,施設面積を大きくせずに多様な学びに応えられる施設の在り方についても考えていきたい

○学校施設の長寿命化が進められる中,教育の様々な変化に施設がついていけるよう,長期的な視点を持った施設整備が重要になってきている。

○学校施設整備の進め方についても,しっかりと評価をすることが必要。また,アクティブラーニングについても,主体的・対話的な学びの部分については非常に積極的に研究がなされているが,深い学びに結びつけるための施設の在り方についても検討が必要ではないか。

 (赤文字は筆者が付けたものです)

 

一朝一夕には成らない施設整備。

いろんな材料を参考にしながら、

後悔のない整備を進めていただければと願っております。

 

(文責:吉田)

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平成29年度文部科学白書の公表について

本日は文部科学省HPより。

 

平成29年度文部科学白書の公表について:文部科学省

 

白書は通常、2部構成となっています。

第1部が特集。

第2部が例年の年次報告です。

 

そして本年度の白書第1部はきっと2020教育改革が全面に出てくるもの、

と予想していましたが、そうではありませんでした。

【第1部】 特集

<特集1 社会的・経済的価値をはぐくむ文化政策の展開>

新・文化芸術基本法の成立や、新・文化庁の構築に向けた機能強化と京都移転に向けた取組、文化財保護制度の改革、2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会に向けた文化プログラム等の取組等について紹介し、新たな文化行政の姿を発信。 


<特集2 学校における働き方改革

学校における働き方改革について、教員勤務実態調査の速報値の結果等を示しつつ、中央教育審議会の検討状況やそれを踏まえた文部科学省の取組について紹介する。併せて、先進的な地方公共団体で取り組んでいる「学校における働き方改革」についての事例を取り上げ、各地方公共団体の意識改革を促し、「学校における働き方改革」の取組をさらに加速化させる。


教育再生の着実な推進>

教育改革を着実に実現していくために現在進められている様々な取組について紹介。平成30年3月に行われた高等学校学習指導要領の改訂、高大接続改革の動向に加え、中央教育審議会教育再生実行会議の動向、教育振興基本計画等について紹介。

【第2部】 文教・科学技術施策の動向と展開

文教・科学技術施策の年次報告として、主な内容を分野ごとに記述。

 

文化政策がトップに来ましたね。 

そして学校の働き方改革。これは予想通り?

その後で教育再生、となっています。

 

ちなみに、平成28年度白書の特集は

「子供たちの未来を育む豊かな体験活動の充実」

でした。

白書全体を読むのは骨が折れますが、こうやってタイトルだけを見ても

省内でトピックになっている事柄を知るのには役立ちそうです。

 

今回の白書、刊行予定は7月下旬となっておりますので、

そろそろ…かと思います。

ぜひ目次だけでもご覧いただければと思います。

 

(文責:吉田)

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改めまして、働き方改革に関する情報提供

働き方改革とは『残業をなくしたり休日を増やしたりすること』だ、って

 思ってる教職員が多いですよね。

 生産性を上げずに勤務時間を短くできるはずないんですけどね」

 

…これは先日お話したある学校の管理職の方との会話です。

経営者、管理職の嘆きがこの言葉に詰まっていそうな気がしました。

 

さて、そんな働き方改革がどんどん本格化しています。

今さら、ではありますが情報提供です。

宮城労働局の資料がとても分かりやすくまとまっていました。

 

働き方改革推進関連法のポイント

 

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そして、「働き方改革を契機に、貴社の課題解決を進めましょう!!」と、

こんなハンドブックもできています。

 

働き方改革支援 ハンドブック

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先日、中小企業診断士の研修に出席したところ、

上記ハンドブックでも紹介されている

「よろず支援拠点」が世間にほとんど知られていない、

という話題が出ておりました。

経営課題の1次的な相談相手として知っておくのもいいかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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学校経営の課題、総ざらえしませんか

夏休みに入られた学校が多くなりました。

朝の電車の風景も少し変わった気がいたします。

 

今年の夏は早い段階での記録的猛暑で、

様々な活動が制約されていることと思います。

まずは元気に夏を過ごす、ということが夏休み最大の関心事になりそうです。

 

さて子どもたちは子どもたちなりのテーマを持って臨む夏休み。

大人はいかがでしょうか。

夏季休暇は自己研鑽に持ってこい、の貴重な期間ですよね。

その一助となれば、との想いを込めまして、

毎年開催しているこのセミナーを本年度も開催いたします。


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普段の弊社セミナーは「考える」「意見交換する」ことを主眼に据えていますが、

例年、真夏のこのセミナーだけは座学中心で構成しております。

もちろん、名刺交換は欠かせませんが(笑)。

 

現状分析の手法として「PEST分析」というフレームワークがあります。

PはPolitics、つまり政治行政という着眼点を指し、同様に

EはEconomy=経済、

SはSocial=社会、

TはTechnology=技術を指しています。

今回のセミナーではこのフレームワークを意識しながら、

同時に学校経営における要素ごとに経営環境を整理してみたいと思っています。

 

日常業務の中で外部環境を網羅的に把握していくのはなかなか骨が折れるもの。

セミナーでは学校周辺のニュースや統計を、

事実ベースでまとめてお届けいたしますので、

今後の計画策定や会議の実施にお役立ていただけるのではないか、

と考えております。

 

なお、当初の講師予定から変更し、さらには弁護士にもご登壇いただく予定です。

スクールコンプライアンスの留意点もこの機会に抑えていただければと思います。

 

期日は8月3日(金)。

お申込みはこちらから↓

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皆様のお越しをお待ちしております。

 

(文責:吉田)

バイト時給、6月は1.9%高

賃金水準をお届けしてきた今週のこのブログ、

最終回?はこちらです。日経新聞より。

www.nikkei.com

 

求人情報大手のリクルートジョブズが12日発表した三大都市圏(首都圏・東海・関西)の6月のアルバイト・パート募集時平均時給は、前年同月比1.9%(19円)高い1031円だった。サッカーのワールドカップ(W杯)の開催で、テレビ観戦向けとみられるすしやピザを配達する運転手の募集が増加。時給を押し上げた。

 

なるほど、こういう事情で時給って上がるんですね。

世間の動向を知っておくことの重要性を改めて感じます。

あ、学校の経営環境を知るためのセミナーもやりますので、

ぜひご参加ください。

www.ysmc.co.jp

 

大都市圏においては一般的な職業のアルバイト時給が1,000円を超えてきています。

学校で必要とされる職種においても、

以前の単価を維持することは難しくなってきていると思いますので、

周辺の求人情報などをご参考にされて見直しを進められてはいかがでしょうか。

 

この記事の末尾にはこんなことも書かれています。

同業大手のパーソルキャリア(東京・千代田)が同日まとめた全国の6月のアルバイト・パート募集時平均時給は、前年同月比1.5%(15円)高い1021円だった。5月に比べ上昇率が縮小した。「大阪北部地震の影響で関西の採用活動が一部止まり、時給上昇が抑えられた」(アルバイト求人サイト「an」の川合恵太編集長)。

 

大阪をはじめ、西日本では特に、大きな災害が相次ぎました。

休校が続いた地域もあり、学校関係者の皆様も大変だったことと推察申し上げます。

一刻も早い復旧を願うばかりです。

 

(文責:吉田)

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