寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

給食そっくりのお弁当

人間にとって、いや、生物にとって欠かせないこと、食事。

教育活動においても食事はとても大切な要素だと日ごろ感じています。

 

先日の朝日新聞に、こんな記事が掲載されていました。

 

www.asahi.com

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

記事に登場するのはイスラム教信徒の親子と、その子が通う学校。

信教によっては、食べることのできない食材があり、

その母娘も例外ではありません。

今度新たに入学する小学校では学校給食が提供されているのですが、

その中の食材には食べられないものが含まれてしまいます。

そこでこのお母さんは

「給食と同じメニューのお弁当」

を作ることにします。

これは小学校に入学する以前、保育園時代からそうしている、とのこと。

弟はまだ保育園児で、娘さんが小学校に入学すると、

小学校の給食メニューと、保育園の給食メニューの2つに従い、

2種類のお弁当を毎朝準備することに…

 

お母さんの手間を考えると本当に大変だと思う一方で、

給食のしくみと同居しながらハラルフードも遵守できる方法を実現していて、

やはり何でも「できる方法」は存在するのだと心強くも感じます。

 

さて、日本の各校は「国際化」「グローバル化」が進んでいます。

政策的にもそれを進めていくこととされていますよね。

そんな中で、「言語」には強い意識が向けられる一方、

「文化」「生活」はどうでしょうか。

海外への研修旅行などで実地体験することは増えてくると思いますが、

それを「日常」とすることは一定の限界がある、かもしれません。

 

しかし、地球規模で活躍するというのは、そういう日常がベースになること、

と言い換えてもいいかもしれませんよね。

いかに英語が流暢であっても、

その地に暮らす人々の日常に想いを致すことがなければ、

全世界で活躍することはなかなか難しいでしょう。

 

本来のグローバル教育がここにあるのかもしれません。

その意味でも「食」は大切な学習材料を提供してくると思うのですが

いかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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青少年のインターネット利用

内閣府は2月27日、平成29年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」結果(速報)を公表しました。

 

青少年のインターネット利用環境実態調調査結果(速報)

 

青少年の82.5%が、いずれかの機器でインターネットを利用しており、

中高生では90%以上が、小学生でも65.4%の児童が

インターネット利用をしているとの結果が出ています。

 

また、小学生のスマートフォン利用率は

平成26年度調査の17.1%から平成29年度調査の29.9%と大幅に伸びています。

 

更に驚きなのが、高校生のスマートフォンの利用率です。

その利用率は実に95.9%です。

利用していない方が圧倒的少数なんです!

もうスマートフォンは生活に無くてはならない必需品である

と捉えられていることが如実に感じ取れる調査結果となっています。

 

今回の調査で気になった点は、インターネットの利用時間です。

公表結果を引用します。

 ○青少年のインターネット利用時間は、

今年度は前年度と比べ約5分増加。平均利用時間は約159分。

○ 学校種が上がるとともに長時間傾向。高校生では、

26.1%が利用機器の合計で5時間以上インターネットを利用。

 

高校生の約4分の1は1日5時間上もインターネットを利用しているんです!

これは高校生が自由に使える時間の大半ではないでしょうか。

 

インターネットの利用時間の長時間化が顕著で、

半数以上の子どもが1日2時間以上のインターネット利用をしているんですね。

 

この状況は家庭におけるインターネット利用のルールが

少なからず影響しているかもしれません。

青少年と保護者の間で、

インターネット利用のルールを決めていると回答した青少年は

65.1%に留まる一方、83.5%の保護者がルールを決めていると回答しています。

 

ギャップが大きいですね。

 

これは学校と児童・生徒や保護者との関係においても同様であるように感じます。

今や学校においてもスマートフォンの利用を規制することは

難しくなってきているかもしれませんが、避けては通れない問題だと思います。

生徒、保護者と向き合い最適な教育環境を整えていく必要があるように思います。

 

(文責:長森)

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女性就労7割、30代離職が減少

女性の就労状況が日本経済にとっては重要だ、という論調があります。

だから、というわけではありませんが、女性の就労が増えている、

というニュースが流れました。

日本経済新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

記事表題にある「M字カーブ」とは何でしょうか。

記事中に説明があります。

「M字カーブ」はこの労働力率を年齢層に分けてグラフを描いた時に現れる。女性は30代の子育て期に離職し、40代で子育てが一服すると再び働く傾向があるためだ。欧米は台形に近いが、日本は30代がへこむ「M」になる。女性の働く環境が整っていないことを示す事例とされてきた。

 

いろんな職場にお邪魔すると、この傾向は強く感じます。

それがここへきて解消されつつあるということ。

記事中のこのグラフを見ると顕著に変化している様子が分かります。

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人手不足が深刻な昨今において、労働力として期待されているのが

「女性」と「外国人」だと言えるでしょう。

記事中でも、就業環境が整わないために社会進出できずにいる女性が

まだいることに言及しており、長時間労働にならない工夫や、

保育所等の整備、在宅勤務の活性化等、まだまだ後押しできる施策があるはず、

という論調です。

 

では、学校の現場ではどうでしょうか。

学校も他業種同様、あるいはもっと、労働力が不足しています。

が現状、女性の比率が特に低いとは感じませんし、

処遇も基本的には男女で差がないのがひとつの特徴です。

女性の活用、という観点だけでは人手不足を解消することは難しそうです。

労働力の増強のもう一つの切り札的存在である「外国人」の雇用も、

学校においては語学教育等、その場面が限られているのが現状でしょう。

 

以前からこのブログで書かせていただいている通り、

「採用」を通じての人材確保には限界があるように思います。

今こそ、「育成」の観点で人材を「人財」化することが必要なのではないでしょうか。

 

一方で、私学の経営管理職には女性が少ないように感じます。

学校経営にも女性の観点は必須でしょう。

もちろん、女性に限らず、いろいろな背景や経歴をお持ちの方にご意見を伺う機会があれば、経営の意思決定がより深い考察に基づくものにできるように思います。

 

学校経営の多様化、という視点もまた重要だと思うのですがいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

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1万人に時差出勤

先日の日経新聞1面にどーんと掲載された記事です。

 

www.nikkei.com

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冒頭部分を引用してみます。

セブン&アイ・ホールディングス(HD)は3月から、国内グループ社員の3割弱の約1万人の社員を対象に時差出勤を導入する。日立製作所は自宅近くで働けるサテライトオフィスを増やす。時間や場所を柔軟に選べる働き方改革が広がることで、渋滞や通勤電車の混雑の解消など日本全体の生産性向上につながる可能性がある。

 

時差出勤、というのは学校ではちょっとなじみが薄いかもしれませんね。

言葉の意味を説明してくれるページもあります。

www.nikkei.com

(こちらも有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

私が関わる私学では、教職員さんの多くが自動車通勤をされています。

となると、電車のラッシュはあまり関係がないのかもしれませんが、

それでも道路渋滞等は関係してくるのかもしれません。

そして、ご家庭の事情等で

「朝早くからの出勤が厳しい」

「夕方は早めに退勤しなくてはならない」

といったニーズがある場合にも、非常勤にならずとも働き続けられる、

という方策の一つになり得ます。

 

先般、「認定こども園」という形態が政策的に導入され、

全国の幼稚園のうち、いくらかの割合がこの形態に移行しました。

その際、それまで幼稚園では考えにくかった「シフト制」、

すなわち個々の教職員が異なる時間帯をうまく埋め合わせていく形での働き方が

導入されたケースが多く存在しています。

幼稚園でシフト制が採られることはむしろ少数であったところ、

認定こども園ではそれを打破する必要が出てきて、

しかも実際にそれを実現されたケースが少なからずある、ということ。

これは学校では導入しにくいように思える時差出勤を考慮する際に

参考になるのではないか、と思います。

 

無理だ、と思えばそこまでです。

秀でた人材を確保するために、ゼロベースで働き方を考えてみるのも

ひとつの材料ではないでしょうか。

 

(文責:吉田)

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学校経営情報2018年3月号発行のお知らせ

本日より3月に突入です。

 

寒さも和らいできて少し暖かくなってまいりました。

この時期になるとやはり気になるのが花粉ではないでしょうか。

 

今年は全国的に花粉の飛散量が少なくなるそうで、

平年と比べると65%の見込みと予想されています。

そうは言っても目が痒くなるのがこの季節。

スギ・ヒノキ花粉が過ぎ去って早く桜の季節になって欲しいと願うばかりです。

 

さて、弊社の学校経営情報2018年3月号を発行いたしましたので、是非ご一読いただければと思います。

データはホームページよりダウンロードできるようになっております。

 

www.ysmc.co.jp

 

◆概要

①School Manegement Review

      教育委員会にみる理事会のカタチ

②学校法人インタビュー 教えて、事務長先生!

      ~第5回 後編~

③コミュニケーションのツボ

      ~第12回 やっぱり笑顔が一番!~

 

大好評の連載企画「学校法人インタビュー 教えて、事務長先生!」が

第5回後編を迎え、今年度の最終回となりました。

 

3月号では関西学院千里国際キャンパス

キャンパス副長のルイス,スティーブン様へのインタビュー後編を掲載しております。

 

関西学院千里国際中等部・高等部(SIS)と関西学院大阪インターナショナルスクール(OIS)が1つのキャンパスに併存する、特別な環境での特別なお話が満載です。

部活動や学校行事など目からウロコ!な内容ですので、是非、ご覧ください。

 

では、3月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:長森)

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学校等における省エネルギー対策に関する検討会

今年の1月末、こんな検討会が文部科学省で開催されました。

 

学校等における省エネルギー対策に関する検討会(第1回) 配付資料:文部科学省

 

この委員会、いったい何を検討するのでしょうか。

「本検討会における論点(案)」という資料がアップされていますので、

そちらで会の趣旨を確認してみましょう。

 

1.教育委員会における組織的な省エネルギー推進方策

(1)実効性ある推進体制とは何か
また、継続的にPDCAサイクルを回すために実施すべきことは何か
(2)適切かつ有効にエネルギー管理を行うために、どのような管理標準(エネルギー管理マニュアル)を設定すべきか
(3)(1)(2)にかかる取組(事例)

2.学校等における適切なエネルギー消費原単位管理の考え方

(1)「エネルギー使用量と密接な関係をもつ値(分母)」をどのように設定するのか
(2)学校等におけるエネルギー消費原単位をどのように分析・活用するのか
(3)(1)(2)にかかる取組(事例)

3.学校等で取り組むべき省エネルギー対策及び具体的な省エネルギー対策手法

(1)省エネルギー対策の推進に際して今後整理すべき事柄とその方向性とは何か
・過去の手引・事例集等のフォローアップ
・エネルギー評価指標 など

 

上記内容を見る限り、具体論というよりは大きな枠組みについてまずは検討する、

ということなのかな、と感じました。

 

弊社が関わる私学においては、施設の更新、

いわゆる「建替え」に関する検討をされているケースが多く存在しています。

生徒急増期といわれる時期に校舎の建設を行った各校が、

そろそろ耐用年数を経過し、老朽化あるいは陳腐化を何とかしたい、

というニーズを強めているように思います。

そこでぜひ考えたいのがこの「省エネルギー」化。

技術の進展により、いろいろな形で省エネの実現が可能になっています。

 

建替えなどは大きな設備投資だからこそ、

根本からいろんなことを考えられるはずですよね。

最重要課題である教育内容実現のための環境整備は当然として、

将来を見越した省エネ、あるいは空間設計の柔軟性など、

この機会にいろいろと考えてみていただきたいと思います。

 

初期投資が大きくなっても、その後のランニングコスト

種々の修繕費まで含めると先にやっておいた方がいい、

ということもたくさんあるはずです。

施設整備は中長期を見据えながら、

じっくりと時間をかけて企画していただきたいところです。

 

(文責:吉田)

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「部活動休養日」

少し前になりますが、学校の運動部活動に関するスポーツ庁の検討会議において、

教員の過大な勤務時間抑制などに向けた総合的なガイドラインが示されました。

 

運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン骨子(案)

 

こちらの中で触れられているのが、「適切な休養日の設定」です。

ガイドラインを引用致します。

 

 ・学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける。

(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。 

週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振替える。)

 

・ 長期休業中は、学期中の休養日の設定に準じた扱いを行う。

また、生徒が十分な休養をとることができるとともに、

部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、

ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。

 

・ 1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、

学校の休業日(学期中の週末を含む)は3時間程度とし、

できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。

 

とあります。具体的な基準が出てきましたね。

今後はこの基準を踏まえて、全国の教育委員会や学校法人に

休養日を明記した「運動部活動の方針」を作ってもらうとのことです。

 

2017年の全国調査では休養日を週1日だけとしていた中学校が

全国で5割を超えており、中には休養日を設けていないケースもあったそうです。

なかなかのハードワークですね。

 

ハードワークといえば、プロ野球選手は1週間に6試合します。

試合がない日もほとんどの場合が移動日なので、

シーズン中は実質休み無しかもしれません。

しかも秋季キャンプ・春季キャンプがあり、何もしていない日は

年間を通じても数日ではないでしょうか。

また、平昌オリンピックのフィギュアスケートで銀メダルを獲得した宇野選手も

1週間で30時間以上の練習をするそうです。

そう思うと、プロスポーツ選手は凄いなぁと、改めて感じます。

自分に置き換えたらとてもじゃないけどこなせそうにありません(笑)。

 

もちろんプロを目指す生徒・児童のため、部活動は大切だと思います。

しかし、スポーツ選手になるということは

さまざまな選択肢の一つに過ぎませんし、

何より怪我をしてしまっては本末転倒です。

 

今回のガイドラインにも

 

・生徒がスポーツを楽しむことで運動習慣の確立等を図り、

生涯にわたって心身の健康を保持増進し、

豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力の育成を図ること

 

・ 生徒の自主的、自発的な参加により行われ、

学校教育の一環として教育課程との関連を図り、効果的に取り組むこと

 

・運動部顧問は、技能や記録の向上といった

生徒の目標が達成できるよう、

各競技種目の特性を踏まえた

科学的トレーニングを積極的に導入し、

適切な休養を取りながら、

短時間で効果が得られる活動を実施する。

 

・運動部顧問は、運動部活動の指導において、

生徒の安全・安心の確保を徹底する

(安全点検の徹底、スポーツ障害・バーンアウトの予防、

体罰の根絶、女子への指導に係る正しい理解等)。

 

といった指針が掲げられています。

ここまでの指導が要求されるなら、学校の範疇を超えている気もしますが…

 

今はまだ骨子の段階ですが、働き方改革の一環として、

部活動改革も差し迫った課題です。

今回のガイドラインを参考に部活動を見直してみてはいかがでしょう。

 

(文責:長森)

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