寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

余裕教室の活用状況

学校経営を考える際の最大の要素は「規模」である、

というのが私の持論です。

自校の適切な規模を設定することができて初めて、

教育内容や人事、財政を上手くかみ合わせることができます。

 

昨今、少子化等の原因で当初設定した規模が

当てはまらない、定員を埋めきれない学校も出てきています。

そうすると、施設はどうしても余剰気味に。

かといって、施設を短期的に処分するわけにもいかない。

そんな際には施設の活用を図ってみるのも一案です。

 

先日、文科省からこんなレポートが発表になりました。

平成29年度 公立小中学校等における余裕教室の活用状況について

 

公立学校でも施設の余剰(ここでは「余裕」と表現されています)を

活用されているようですね。

以下、活用例を示したページをご紹介しましょう。

f:id:ysconsult:20171219100039p:plain

 

学校という場の強みの一つは施設の存在でしょう。

施設を活用して収益を生むという発想は持っておいて損はないと思います。

 

ただ一方で、その施設から生まれる一番大きな収益は本業、

すなわち学業を修めることに違いない、とも思います。

各校の規模が適切に再設定され、

各種の活動と施設が整合することを願っております。

 

(文責:吉田)

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岐阜市、教員に16連休 今夏、小中など完全閉校

長時間労働が深刻な教員の負担を軽減させようと、

岐阜市教委は2018年度から全市立小中学校と特別支援学校計69校で、

原則として一切の活動を行わない「学校閉庁日」を、

夏休みに16日間連続で設けるとのことで、この期間は日直の教員も置かない。

専門家によると、これほど長期にわたる学校閉庁日の設定は

全国でも例がないとのことです。

 

www.chunichi.co.jp

 

記事によると、

18年夏の学校閉庁日は8月4~19日を予定。

原則として、会議や補充学習、教員研修、

部活動の指導といった全業務を休止する。

教員にはこの間、年次有給休暇や夏季特別休暇を消化させる。

保護者から緊急の連絡があった場合は、

市教委職員が専用の携帯電話で対応する。

部活動は原則休むが、

全国大会が迫っている場合などは例外として、指導を認める。

子育て支援の一環として、

教員ではない専門の指導員を置いて児童を預かる

「放課後児童クラブ」は従来通り、開く。

とあります。

 

この中でも特に気になったのが、

「原則として、会議や補修学習、教員研修、部活動の指導といった

全業務を休止する。」ことと

「保護者からの緊急の連絡があった場合も、

学校の教員や職員ではなく、市教委職員が専用の携帯電話で対応する。」ことです。

 

閉庁期間中は教職員が一切対応しないという取り組みなんですね!

原則という文言が付いていますが、正直驚きました。

これは踏み切ろうと思ってもなかなか踏み切れない

先進的な取り組みではないでしょうか。

 

こちらは公立学校での取り組みになりますので、

私立学校では同じように進めることは難しいかもしれませんが、

電話の外部委託などは私立学校でも考えられる内容ではないでしょうか。

 

もちろん、これで全てが解決された訳ではなく、

記事の最後は次のように結ばれています。

 

「教員が生活時間を取り戻せる良い取り組み。

ただ過重労働が本質的に解決するとは言えず、

部活動指導の外部人材活用など、

できる対策を同時に進めていくべきだ」

 

昨年末、文部科学省

「学校における働き方改革に関する緊急対策」を公表しましたが、

教員の働き方改革はまだスタートラインに立ったところだと思います。

本質的な問題解決に至るまでには相当険しい道のりが待っていますが、

このような取り組みが出てきたことは、先生方だけでなく、

これから先生を目指す若者にもプラスになるように思います。

このような取り組みがどんどん増えれば、

学校の先生方が働きやすく、教育に集中できる環境が整えられる日も

そう遠くないのではないでしょうか。

 

(文責:長森)

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学校経営情報2018年1月号発行のお知らせ

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、弊社の学校経営情報2018年1月号を発行いたしましたので、是非ご一読いただければと思います。

データはホームページよりダウンロードできるようになっております。

 

www.ysmc.co.jp


 

◆概要

①School Manegement Review

      管理職の本音

②冬休み特別企画!

      2017年度学校経営セミナー後半プレイバック

③コミュニケーションのツボ

      ~第10回 座る位置はどこがいい?~

 

冬休み特別企画といたしまして、2017年度学校経営セミナーの後半を振り返っております。

弊社では、2017年度は、「『ひと』を活かし、『しくみ』を活かす」をテーマとして、4月から10月にかけて全6回の学校経営セミナーを開催いたしました。

今月号では8月以降に開催した後半3回のセミナーの様子を振り返っています。

是非、ご覧ください。

 

では、本年も素敵な一年になりますように。

 

 

(文責:長森)

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子ども・子育て拠出金 さらなる引上げへ

負担増のニュース、相次いでおります。

今後控えている消費税の増税等、税負担の増加もありますし、

それ以上に大変なのが社会保険料の負担増です。

本日はそのひとつ、子ども・子育て拠出金のことについて

情報が出ておりましたのでそちらをご紹介します。

 

子ども・子育て拠出金(旧:児童手当拠出金)更なる引上げへ : 労務ドットコムの名南経営による人事労務管理最新情報


この拠出金、引用タイトルにもある通り、

以前は「児童手当拠出金」と呼ばれていたものです。

その負担率は平成27年度には0.15%だったものが、

平成28年度は0.20%、平成29年度には0.23%と、

順調に上がってきています。

 

 

そしてこのたび(平成29年12月8日)、

「新しい経済政策パッケージ」が閣議決定され、

このパッケージに必要な子育て世代の支援のための財源として、

子ども・子育て拠出金が挙げられています。

上記記事にはこう書かれています。

 

具体的には、「法律に定められた拠出金率の上限を0.25%から0.45%に変更」することになっており、引上げによる増額分は、2018年度から実施する「子育て安心プラン」の実現に必要な企業主導型保育事業と保育の運営費に充てることとされています。

 

仮に0.45%になるとすれば、ここ5年程度で負担は3倍増になるということです。

 

もちろん、他の社会保険料の負担に比べるとその率はまだまだ小さいですので、

財政的なインパクトはそれほど大きくないかもしれませんが、

それでもコスト増には違いありませんし、

教職員数とその金額水準によっては無視できない大きさになります。

今後の予算編成において、念頭に置いておくべき項目と言えるでしょう。

 

(文責:吉田)

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授業見学や研修体験、教員志望者向け「東京の学校見学会」

今年も残すところあとわずかとなりました。

年齢を重ねるごとに時の流れが早くなってきたなと感じる今日この頃。

子どもの頃は、

「あと何日でお正月だ!」とか「あと何日で冬休みだ!」なんて

指折り数えたものですが、

最近では、

「もう1年経ったのか。時間がたつのは早いなぁ。」

などと考えるようになってしまいました。

 

年齢を重ねるごとに経験が増え、

新たな発見や感動する気持ちが薄れてきているのかもしれないなぁと

反省をしている今日この頃です。

今後は、仕事に流されることなく日々の発見を大切に過ごしていこうと思います。

 

そんな当たり前に流されないように少し考えたことをご紹介させていただきます。

 

resemom.jp

 

記事によると

東京都教育委員会では、

東京都の教員を志す人や関心を持つ人に公立学校のようすを

実際に見学・体験してもらい、

理解を深めてもらうことを目的に

毎年見学会を実施している。

小中学校においては

授業見学や現職教員との懇談などが、

教職員研修センターでは研修体験などが予定されている。

とのことです。

 

この授業見学や研修体験は毎年実施されているので特別珍しくないのですが、

この仕組みを私学でも取り入れられないものかと考えてみました。

 

私学の場合、それぞれの学校法人で研修や実習を受け入れられると思うのですが、

それではその学校だけの魅力しか伝わらないのではないでしょうか。

  

例えば、どこの幼稚園や学校に通うかと検討するときには

様々な学校の説明会やオープンキャンパスに行くのではないでしょうか。

「あの幼稚園のこんなところが良かった!」とか、

「あの学校の制服を着てみたい!」のようなところから学校選びが始まると思います。

 

では、同じ学校選びではありながらも、「仕事選び」、

すなわち教員を御校でやりたいと思ってもらうにはどうすれば良いのでしょうか。

そのためには学校の良いところ、しかも公立の学校にはない私学ならではの良さを伝える必要があるように思います。

ではどのように伝えれば良いのか。

 

例えば

学生の夏休みや春休みを使い、

教育実習という形ではなく、ちょっと学校体験を1週間程度してもらう。

それをさまざまな学校とも協力して行う。

学年も1年生から4年生まで受け入れる。

ちょっとした旅行のようなイメージです。

世界一周旅行のような感じで学校を体験できれば

学生もワクワクするんじゃないかなと。

 

優秀な人材を確保することはどの学校でも大きな課題になっていると思います。

学生に先生という職業がどの仕事よりも楽しく感じてもらえたら、

学校の先生の成り手がどんどん増えるような気がします。

これからは学校内はもちろんのこと学校を飛び越えて協力が出来れば、

御校だけでなく、私学全体が活性化するのではないでしょうか。

 

 

(文責:長森)

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学校にもフリーアドレスを

最近企業で増えてきている「フリーアドレス」。

学校関係の皆様はご存知でしょうか。

 

今回のブログのタイトルは、先日の日本経済新聞のオピニオン欄、

「私見卓見」に掲載されたものです。

www.nikkei.com

今回初めて知ったのですが、この「私見卓見」の記事については、

日経電子版で読めるようになるのが1か月ほど先になるんですね。

ということで、「学校にもフリーアドレスを」の記事は

本日時点ではまだアップされておりません…ご容赦ください。

 

さて、フリーアドレスとは、

「自分用のデスク」が固定されていないオフィススタイルを指します。

そのメリットとデメリットをまとめて下さっているブログがありましたので、

以下にリンクを貼っておきます。

 

フリーアドレスって一体何?メリットとデメリットは? | 総務人事お役立ちコラム

 

上記サイトによりますと、メリットとデメリットは次のようにまとめられます。

まずはメリットから。

プロジェクト運営に最適

フリーアドレスのメリットは、部門横断的な活動が実施できる点があります。

普段は違う部門同士の人間でも、何かのプロジェクトなどで終結して行わなければならないことがあります。

そんな時に、フリーアドレスであればそのチーム単位で容易に集まって仕事することができます。

コミュニケーション活性化

また、普段は一緒に仕事することがない人ともコミュニケーションが図れるという点も魅力的です。

例えば、技術系の仕事をされている方と総務系の仕事をされている方が隣同士になった場合、一見するとミスマッチな組み合わせに感じます。

ただ、その中から今まで思いつかなかったようなアイデアが、お互いにもたらされる可能性があるのです。

社内の状態の把握

他にも、経営層の方が社員の行動をチェックしやすいという点もメリットとして挙げられます。

どうしても、経営層となると社員とのコミュニケーションを図る場が少なくなります。

そんな時にフリーアドレスを活用すれば、社長と新入社員が隣同士で仕事するというシチュエーションも可能となります。これにより、風通しの良い会社になることができるのです。

 

続いて、フリーアドレスのデメリットについて。

仲の良いもの同士が集まってしまう

最も大きなデメリットとして、仲が良い者同士で集まることによる生産性の低下が発生しうる、ということです。どうしても、仲が良い者が近くにいると無駄話をしてしまいがちです。これにより、本来持つパフォーマンスを発揮できない可能性が高いのです。

逆にパフォーマンスを向上させる効果もあるので、一概にデメリットとは言い切れませんが、注意すべき内容であります。

距離感が近づきすぎる

また、フリーアドレスによって社員同士の距離感が近づきすぎる可能性があります。

距離感が近くなるのは良いことなのですが、例えば経営層と若手社員の距離感が近くなると、オープンすぎる関係となってしまいがちです。

本来、上司と部下である関係も崩れてしまう可能性がある点にも注意が必要です。

他にも、会社への所属意識が希薄になるという点も問題となる可能性があります。

ふむふむ、そうなんですね。

 

さて今回のブログタイトル、先ほどもご紹介したとおり、

新聞のオピニオン欄に掲載されたものなのですが、

その趣旨は

「子どもたちの座席をフリーアドレスにしてはどうか」

との提言です。

フリーアドレスによって上記のメリットよろしく、

子どもたち同士の距離感が近くなり、変化への対応もしやすくなる…とのこと。

実際、仙台の市立中学ではそのような変化がみられているそうです。

 

これに対して、私がこのネタを採り上げたのは、

「職員室もフリーアドレスにしてみてはどうでしょうか」

というふうに思ったからです。

管理職も含め、教職員の誰しもが職員室で仕事ができる環境を整えれば、

組織内のコミュニケーションはより充実するのではないか…と。

いかがでしょうか。

 

職員室の活性化が組織の活性化に直結する、と私は感じます。

時には「形から入る」のも組織運営の大きなヒントになり得ると思うのですが。

 

(文責:吉田)

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クレームを再購入につなげる

ここ最近、通勤時や移動中など、見知らぬ人たちの言動で気になることが。

 

先日は満員の地下鉄でつり革を持って立っていたところ、

下りようとする別の乗客からいきなり殴られてしまいました。

何のことかと思ったのですが、結局原因は分からず。

他にも、通りすがりの人に舌打ちされたり、

店員さんや駅員さんを罵倒するのを見かけたり…

自分だけかと思ったのですが、こういった経験をされている方は

周囲にも結構いらっしゃるんですよね。

余裕のない世の中になっちゃったのかな…

と、悲しくなってしまいます。

 

学校現場でもいろいろなクレームが寄せられると聞いています。

もちろん、理由のあるものもある一方で、

そうではないものも数多くあるようで、

対応される先生方や管理職の皆さんが気の毒になることもあります。

 

クレームと言えば、こんな記事を見つけました。

toyokeizai.net

 

いわれのないクレームはどうしようもないかもしれませんが、

クレームを関係強化につなげられるなら大いにプラスです。

この記事にはいろいろと参考になることが書かれていますが、

私がポイントだと感じたのは以下の点です。

原因調査はこれから、という受付段階であっても「お客様はカルビーの商品を購入されたことがきっかけで嫌な思いをされた」という事実をきちんと受けとめること、加えて、お忙しいなか私たちにお知らせいただいたことへ感謝をすること。

自分たちがクレームのきっかけを作ったという事実を受け止めること。

これは重要な視点であると感じました。

「本来なら喜んで召し上がっていただけるはずの商品で不安を与えてしまった」という、“何に対して申し訳ないと思っているか”を具体的に伝えます。 

好きで購入したのに不安を感じさせてしまったこと。

これは学校においてクレームが発生した場合も同様のことが言えますよね。

実は、カルビーに寄せられるお客様の声のうち、約7割がご意見、ご質問、ご要望といった「ご相談」です。

あ、クレームだ、と身構えてしまって必要以上にへりくだってしまう…

そうならないように、「ご意見」「ご相談」とクレームとを

区別する必要がありそうです。

特にご指摘をくださるお客様の最初の心情は、ネガティブであることがほとんどです。だからこそ、ご指摘の1つひとつに対して真摯に対応し、信頼を得てファンを増やせば、それが結果として安定した経営にもつながると思います。

単なる意見や相談であっても、

最初はネガティブな心情であることは間違いありません。 

真摯、誠実な対応でそれをファンに変えることができる、

そのことをこの記事は教えてくれます。

昨今多くなっているクレームが適切に解消され、

世の中のギスギスした空気感も解消されればと強く願っています。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp