寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

学校経営情報2017年4月号発行のお知らせ

いよいよ新年度がスタートしましたね。

 

生徒達にとっては新たな学年の始まりに期待を寄せて胸躍る季節です。私も学生時代を思い返せば、これといって印象的な思い出があるわけではありませんが、新年度の始まりはなんとなくワクワクした記憶があります。

 

ただ、学校関係者の皆様にとっては大忙しの季節ですね。体調管理には十分留意していただきつつも、生徒達のサポートをしっかりとしていただければと思います。

 

さて、弊社の学校経営情報2017年4月号を発行いたしましたので、是非ご一読いただければと思います。

データはホームページよりダウンロードできるようになっております。

 

www.ysmc.co.jp

 

 

◆概要

①School Manegement Review

      会議あるある

②《連載》学校法人インタビュー 教えて、事務長先生!(第1回・前編)

      学校法人清教学園 法人事務局長 植野公稔さん

③コミュニケーションのツボ

      「コミュニケーション」って何?

 

今年度の大型連載企画「学校法人インタビュー 教えて、事務長先生!」が4月号より開始いたします。学校法人の事務部門の方々に、学校事務に関する素朴な疑問や学校経営を取り巻く諸問題への対応等についてインタビューする企画となっておりますので、御校の経営の一助になれば幸いです。

 

では、4月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:木村)

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残業時間に関するアンケート調査の結果より

正社員による長時間労働などに代表される日本の戦後雇用慣行を見直すべく、政府主導で「働き方改革」が進められており、先日、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入を盛り込んだ実行計画がまとまりました。

 

長い年月をかけて日本中に染み付いた労働慣行の見直しには相当な労力や時間を要するでしょうが、是正に向けて着実に計画を実行させ、是非とも大きな成果を出していただきたいものです。

 

さて、昨今何かと話題の長時間労働についてですが、現実はやはり厳しい状況のようです。

 

engineer.fabcross.jp

 

「fabcross for エンジニア」が実施した、残業に関するアンケート調査の結果によると、業種別の1カ月当たりの平均残業時間が最も多かったのは「教育、学習支援業」で29.5時間とのことです。

「教育、学習支援業」ですので、幼稚園や学校のみならず学習塾等も含まれているものと考えられますが、幼稚園や学校の教員の長時間労働については様々な形で報道されることも多く、この結果については「やっぱりか・・・」というのが正直なところです。

 

一般企業と比較すると学校はやや閉鎖的な空間ではないかと感じます。学校を批判しているわけではなく、組織の特性として仕方のない面が多分にあるでしょう。ただ、閉鎖的な空間であるがゆえに、学校内の常識と一般社会の常識に乖離が生じてしまうおそれがあり、その乖離に誰も気が付かないままに時間が過ぎて行ってしまうことも考えられます。

 

だからこそ、幼稚園や学校の教職員の方々には、学校外の社会の様々な活動を実際に積極的に体感することで視野や見聞を常に広めていただくと同時に、そこで得たものを授業等を通じて生徒達に還元していただければありがたいなと感じます。

 

にも関わらず、教員の方々が長時間労働を強いられることによって一日の大半を学校内で過ごすことになると、そのような機会が奪われてしまい、実質的に外部社会と遮断されてしまうわけですから、結果的に教育の質の向上を妨げることになってしまうのではないかと思います。

 

教員の方々の過度の負担を軽減することは当たり前ですが、「学校の常識」に流されて日々を過ごしてしまうことがないようにするためにも、長時間労働の是正については本気で取り組んでいただきたいものです。

 

 

(文責:木村)

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私立高等学校 入学志願動向

日本私立学校振興・共済事業団から、気になるデータが発表されました。

 

平成28(2 0 1 6)年度 私立高等学校 入学志願動向 日本私立学校振興・共済事業団

 

同事業団が実施している「学校法人等基礎調査」から、私立高等学校の入学者等に関する項目のデータを集計したもの、との説明がなされています。

私立高校の経営環境を知るには有用な資料だと感じましたので、概要を押さえておくことにしましょう。

 

まずは「私立高等学校の概況」について。

(1)学校数

集計学校数: 1,289 校(集計率 97.6%/前年度比 4 校増)

(2)入学定員

入学定員: 411,310 人(前年度比 1,249 人(0.3%)増)

(3)入学者等

前年度比で志願者 0.9%増、受験者 0.9%増、合格者 0.6%増、入学者 1.3%増

(4)入学定員充足率

入学定員充足率: 85.09%(前年度比 0.88 ポイント増)

入学定員充足率が 100%未満の学校数: 1,289 校中 902 校(70.0%/1.4ポイント減)

50%未満の学校数: 149 校(11.6%/前年度同率)

※平成 14 年度と比較すると、集計学校数は 15 校増加したが、入学定員充足率が 50%未満の学校数は 146 校から 149 校と微増であった。

(5)学校別入学定員充足率

前年度に入学定員を充足していた学校のうち、平成 28 年度に入学定員充足率が上昇した学校は 75 校、下降した学校は157 校。

前年度に入学定員が未充足の学校では、平成 28 年度に入学定員充足率が上昇した学校は 323 校、下降した学校は 234 校。

前年度に入学定員を充足していたが平成 28 年度に未充足となった学校は 85 校。

前年度に入学定員が未充足であったが平成 28 年度に入学定員を充足した学校は 102校。

まずはここまで。

(3)を見ると、全国的に見た場合には、私学への志願者・入学者ともに増えているとの結果のように見えますが、そもそも本調査の集計対象の学校数が増えていますので、必ずしもそうとも言えない、という可能性が残ります。

ただ、各数値を校数で除して平均値を求めてみると、入学者数については確実に増えているようです。

ところが、入学定員を満たしていない学校の数は全体の7割に上っています。

7割とは大変な高率です。

これでも前年より減っているとの結果ですので、状況は深刻です。 

 

上記の結果をジャンル別に細かく見てみると、こんなふうになります。

(6)都道府県別の動向

○平成 28 年度の動向
・志願倍率が最も高いのは群馬県で、以下、岡山県茨城県大分県
・入学定員充足率が最も高いのは岡山県で、以下、埼玉県、新潟県

○5 ヵ年の推移:平成 24 年度と 28 年度の志願倍率、入学定員充足率の比較
・志願倍率と入学定員充足率がともに上昇しているのは、22 都府県。
・志願倍率が特に上昇しているのは、大分県岡山県・神奈川県で、いずれも 0.6 ポイント以上上昇。一方、群馬県は約 1.3 ポイント下降。
・入学定員充足率が特に上昇しているのは、高知県沖縄県・石川県・長野県で、いずれも 7 ポイント以上上昇している。一方、大阪府は約 7 ポイント下降。

(7)男子校・女子校・共学校別の動向

○平成 28 年度の動向
・志願倍率が最も高いのは、共学校で、以下、男子校、女子校。
・合格率が最も高いのは、女子校で、以下、共学校、男子校。
入学定員充足率が最も高いのは、共学校で、以下、男子校、女子校。
・上記 3 つ(志願倍率、合格率、入学定員充足率)について、男子校・女子校・共学校別の順番は、平成 14 年度以降変化がみられない。
・歩留率が最も高いのは、男子校で、以下、女子校、共学校。この順番は、平成 26 年度に男子校と女子校が入れ替わって以降変わっていない。

○平成 14 年度からの 15 年間の推移
・志願倍率は、いずれの種別も下降傾向が続いている。
・合格率は、女子校は 95%前後、共学校は 90%前後、男子校は 85%前後で推移している。
・歩留率は、男子校は上昇傾向にあり、共学校は 30%前後で 15 年間ほぼ変わらない。
・集計学校数は、男子校が 57 校、女子校が 93 校減少したのに対し、共学校は 165 校増加している。

私学の存在感は、各自治体によって大きく異なるものと思われます。

本資料p.12~13には都道府県別の集計結果が出ていますが、 志願倍率や歩留率にはかなり開きがあります。

ちなみに、定員充足率は埼玉県が107.51%であるのに対し、教育先進県と言われる秋田県で48.02%となっています。

御校の所在する自治体についてはいかがでしょうか。

 

また、男女別というカテゴリでは女子校が苦戦模様になっているようです。

ここ15年程度で、男子校あるいは女子校から共学校へと変化するケースもかなり多く見られ、男子校も女子校も学校数は大幅に減ってきているにもかかわらず、定員充足率はそれほど変わっていないわけですから、志願者数の減り方のすさまじさが分かります(事実、15年で半減しています)。

一方で、歩留率は男子校が高くなっており、その魅力の高さを示しているようにも思えます。

 

そして、今後の学校規模を考えるうえで参考になりそうなのがこちらです。

(8)規模別の動向

○平成 28 年度の動向
・志願倍率が最も高いのは、入学定員が 800 人以上 1,000 人未満の区分で、以下、400人以上 500 人未満、600 人以上 800 人未満、1,000 人以上となっている。
・入学定員充足率が最も高いのは、300 人以上 400 人未満の学校で、以下、200 人以上 300人未満、400 人以上 500 人未満の区分となっている。
・志願倍率は入学定員規模が大きくなると高くなる傾向にあるが、入学定員充足率は入学定員 300 人以上 400 人未満が最も高い。このように志願倍率の高い入学定員規模別区分と、入学定員充足率の高い入学定員規模別区分とは必ずしも一致していない。

 「定員」が教育上、さらには経営上も適正規模を示すとすれば、そこからの乖離は極力避けねばなりません。

現状、定員充足率が85%を超えているのは入学定員200~500人の範囲となっています。学校規模を想定する際のひとつの目安になるのではないでしょうか。

 

なお、この資料の末尾付近(p.37~44)には各都道府県別の「15歳人口の推移と入学者動向」を示した表とグラフが掲載されています。傾向が一目でつかめますので是非ご覧になってください。

 

そしてさらに気になるデータがp.45に。

都道府県別の15歳人口の過去~未来にかけての推移実績・予測です。

全国的には、ここからたった3年で15歳人口は5%減ります。

ちなみに、平成28年度までの間、5%減少するのにかかった時間は11年です(平成17年度が平成28年度の5%増しだったということ)。

急速な年少人口の減少がやってくる中で、各校の規模設定はより厳格さが求められることになります。

 

(文責:吉田)

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中学受験をする理由

受験シーズンも終わり、新たな年度が始まろうとしています。

我が家の長女も第一志望の公立高校に無事合格し、ひと安心しております。

 

ただ、少子化の影響により、私学にとっては目標の入学者数を確保できるかが学校経営を大きく左右することは言うまでもありません。

特に、多くの子どもたちが公立中学へ進学する中で、中学校を持つ学校法人にとって生徒を安定的に確保することは非常に難しい課題なのではないでしょうか。

 

では、そもそも私立中学へ進学する生徒もしくは保護者はどのような理由で受験をするのでしょうか。

 

chukou.passnavi.com

 

「中学受験 高校受験 パスナビ」からの引用ですが、これによると5つの理由が挙げられています。

 

理由その1 大学進学に有利

■ 難関私立大学、人気私立大学へ推薦入試で進学できる

保護者の方がお子さんに中学受験をさせる理由として最も多く挙げるのがこれでしょう。
私立中学の場合であれば、高校、大学と併設されている学校も多く、将来、これらの学校へ推薦入学制度で進学することができます。
これらの高校は付属中学も備えているので、将来、これらの私立大学へ進学を考えているのなら、中学から入学しておくほうが有利といえるでしょう。

■ 難関国公立大学への入試対策も万全

一方、国公立大学や系列大学以外への進学に関しても、私立校や公立中高一貫校が有利です。私立校の最大の特長は、自由なカリキュラムを学校が独自に組めることです。教科の授業時間数が公立校に比べて多いので授業を速く進めることができます。
また、6年間をトータルで考えた指導ができるので、進学校では高2か高3の初めまでに高校の教科書を終わらせ、あとは本格的な大学受験対策の授業へと進むところが大多数です。
中高一貫校では、このような学習環境にあるので、同じレベルの学力の子たちが一緒になって学び、競い合うことが可能です。その結果、大学受験でも難関大に多くの合格者を送り出しています。

 

理由その2 一貫した教育方針の下での指導が受けられる

私立中学校や公立中高一貫校では、学校ごとに「こういう人間を育てたい」という建学の精神に基づいた教育方針があります。
たとえば、私立校であれば「自主自律の精神を育む」、「他者のために尽くす」、公立中高一貫校であれば「国際社会で活躍できる」、「リーダーとしての資質を持つ」人材の育成などが方針として掲げられています。授業はもちろん、行事・クラブ活動、生活態度や普段の行動などもこの方針の下に指導されます。

 

理由その3 人間教育を重視した指導が受けられる

私立中学では宗教教育を行っている学校も多く、キリスト教系では豊かな人間性、奉仕の精神に基づいた全人教育が、仏教系の学校では建学の仏教精神を土壌とした人間教育が行われています。
また、授業においては、女子は礼法・作法、華道・茶道を、男子は柔道・剣道などの武道を取り入れている学校も見られます。行事やクラブ活動を大事にしている学校も多く、行事はクラスの団結力を高めることを、クラブ活動は友情や自主性を育むことを目的としています。

 

理由その4 時代にマッチした授業が受けられる

多くの私立中学では、将来、国際社会で活躍できるよう英語力を高める授業や、また英語以外の語学教育にも力を入れています。たとえば、海外の大学への進学を目指した国際学級を設置しているところもあります。
授業にパソコンを活用したり、大学進学後や社会に出てからも活躍できるようにプレゼン能力、ディスカッション能力を高めるための授業を行うところも増えています。他にもキャリア教育、体験学習など、子どもの未来を考えた教育が行われています。

 

理由その5 最新の設備・施設と豊富な学校行事

施設の充実には、各学校とも力を入れています。全教室冷暖房完備、全天候型グラウンド、LL教室、メディアセンターなどを備えた学校も多数あります。最近では、新校舎の建設や旧校舎の改築など安全で快適な施設づくりが盛んです。
学校行事はユニークなものが多く、創立当初から続く歴史的イベントや宗教行事、スポーツイベントなど、その内容もバラエティー豊かです。
スポーツ以外にも、茶道、礼法など、将来役に立つ技術を身につけられる学校もたくさんあります。

 

2017年度入試の結果を見ても、一部の超難関中学、難関中学と呼ばれる私立中学の競争率がどこも高かったことから見ても、「理由その1」がやはり最も大きいと言えそうですね。

 

では、私立中学受験は一部の成績上位層のためだけに行われているのかといえば、もちろんそんなことはないはずです。

 

理由その2「一貫した教育方針の下での指導が受けられる」であったり、理由その4「時代にマッチした授業が受けられる」こそが私立中高一貫校にとっての最も大きな武器になるのではないかと個人的には感じます(その副産物として進学実績が伸びればなお印象は良いのでしょうが)。

 

上記の5つの理由こそが私立中学を受験する生徒や保護者の私立中学に対するニーズであり、2017年度や過年度の入試で目標の入学者数に達しなかった学校は、それらのニーズの何らかを満たすことができていなかった、もしくは十分なアピールができていなかったということが言えるのではないでしょうか。

 

各校におかれましては、2017年度の入試結果も出揃い、総括をされること思いますが、上記の5つの理由を中心に現状把握(=原因の特定)をしっかりと行った上で、次年度の生徒募集に向けた計画の策定を行っていただければと思います。

 

(文責:木村)

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卒業予定者の就職内定状況

毎年この時期になるとご紹介しているような気がする、就職内定状況。

進路、というとどうしても「進学先」をイメージしてしまいがちですが、本来の進路は社会に出ることを意味しますよね。

その意味において、学校を卒業した子供たちの就職状況はぜひとも押さえておきたい指標のひとつではないでしょうか。

 

まずは大卒者の就職内定状況について。

厚生労働省HPより。

平成28年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(2月1日現在)について |報道発表資料|厚生労働省

 

上記ページのタイトルすぐ下に、こんな副題が付いています。

~大学生の就職内定率は90.6%と前年同期比2.8ポイント上昇し、調査開始以降同時期で過去最高~

 

内定率の概要は以下の通りです。

・大学(学部):90.6%(前年同期比2.8ポイント増)

・短期大学:88.5%(同2.5ポイント増)

・大学等(大学、短期大学、高等専門学校)全体:90.9%(同2.7ポイント増)

専修学校(専門課程):90.2%(同2.3ポイント増)。

 

もう少し詳しく見ると…

○ 大学のうち国公立大学の就職内定率:90.9%(同1.3ポイント増)/私立大学:90.5%(同3.2ポイント増)。

○ 男女別では、男子大学生の就職内定率:88.8%(同2.3ポイント増)/女子:92.8%(同3.5ポイント増)。国公立大学では男子が高く、私立大では女子が高くなっています。

○ 文系・理系別では、文系の就職内定率:90.3%(同3.0ポイント増)、理系:92.1%(同1.9ポイント増)。

○ 地域別では、関東地区及び近畿地区の就職内定率が最も高い(91.9%)。

就職の状況はかなり良好な水準になっているようですね。

 

では中高卒の子どもたちはどうでしょうか。

同じく厚労省HPより。 

平成28年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・内定状況」取りまとめ |報道発表資料|厚生労働省

 

こちらもこんな副題が付いていました。

~高校生の就職内定率は94.0%と前年同期比0.4ポイント上昇。平成5年3月卒以来24年ぶりの水準。平成29年1月末現在~

 

概要はこうなっています。 

【高校新卒者】
○ 就職内定率:94.0%(前年同期比0.4ポイント増) 
○ 就職内定者数:約16万5千人(同0.6%増)
○ 求人数: 約38万4千人(同9.8%増)
○ 求職者数:約17万6千人(同0.3%増)
求人倍率:2.19倍(同0.19ポイント増)

【中学新卒者】
○ 就職内定率:12.9%(前年同期比21.3ポイント減) 
○ 就職内定者数:122人(同59.5%減)
○ 求人数:1,612人(同4.1%増)
○ 求職者数:945人(同7.4%増)

求人倍率:1.71倍(同0.05ポイント減)

高卒と中卒では明暗が分かれた格好です。

中卒者に関しては、求人数も求職者数も前年を上回っていながら、内定数や内定率は大幅に下がっています。 

一方、高卒者は大卒同様、歴史的に見ても高い内定率となったようです。

 

先日訪れたある学校においても、進路指導について話題になっていました。

社会で活躍できる人材を育てるために、学校はどうあるべきか、と。

簡単に答えが見つかるとは思えませんが、このような問いに愚直に向き合える学校さんは素晴らしいな、と感じました。

御校でもぜひ、子どもたちの末永い進路について考えてみませんか。

 

(文責:吉田)

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「新入社員に対する社会人の意識調査」と弊社セミナーのお知らせ

いよいよ4月が近づいてきました。

夢と希望に満ち溢れた新入教職員を迎え入れる学校や幼稚園も多いのではないでしょうか。

新入教職員といえども、入職した瞬間から一人の社会人として扱われますので、社会人としてのマナーや常識を少しでも早く身に付けてもらわなければいけませんね。

ただ、学生気分が抜けきらなかったり、ビジネスマナーを知らないがために、様々な悲劇が起こっているようです・・・

 

news.mynavi.jp

 

マクロミルが発表した「新入社員に対する社会人の意識調査」によると、入社1カ月以内の新入社員が取っていた行動に対し、「許せない」と思ったランキングは以下のとおりです。

 

1位:挨拶をしない(79.9%)

2位:遅刻をする(79.5%)

3位:何も言わずに帰る(60.9%)

4位:仕事中にプライベート携帯をいじる(59.4%)

5位:言葉遣いが丁寧ではない(56.8%)

6位:休憩が多い(54.2%)

7位:電話が鳴っても取らない(52.5%)

8位:忙しいはずなのに定時退社する(45.5%)

9位:なれなれしい態度(45.1%)

10位:本人の歓迎会に参加しない(40.4%)

 

にわかに信じられない行動ばかりが並んでいますが、実際に体験して「許せない!」と感じたものばかりですので、どこの職場においてもありえない話ではないということですね。私も過去にランキング項目のいくつかが該当する新入社員を受け入れた苦い思い出がありますが、毎日何かと疲れさせられたことを今でもはっきりと覚えています・・・

 

このような悲劇(?)を撲滅すべく、弊社では学校教職員の方々を対象としたビジネスマナー研修を4月21日(金)に実施いたします。

 

www.ysmc.co.jp

 

セミナーの概要は以下の通りです。

  1. 学校教職員としての心構え
  2. 接遇・ビジネスマナーの基本(挨拶・身だしなみ・言葉遣い・来客対応・電話対応 等)
  3. 接遇・ビジネスマナーの応用(コミュニケーションスキル)

 

会場は地下鉄東梅田駅から徒歩すぐ、研修は3時間(14時~17時)、受講料は2,000円とお気軽にご参加いただける内容となっておりますので、この春、新たに教職員を迎え入れる予定がおありの学校、幼稚園の皆様におかれましては、新入教職員の方々のご参加を是非ご検討いただければと思います。

 

なお、主に新入教職員の方々を対象としていますが、「これまでビジネスマナーなんて誰からも教わったことがない!」という中堅教職員の方々のご参加ももちろん大歓迎です。

 

(文責:木村)

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高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較- (授業編)

国立青少年教育振興機構が3月13日、日本・アメリカ・中国・韓国の4か国を比較した「高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書」を公開しました。

 

その中から本日は「授業について」の調査結果をご紹介いたします。

 

 

www.niye.go.jp

 

 まず、授業の進め方について、どのような形式が多いかに関する質問の回答結果です。 

 

教科書以外の本、模型、現物など、いろいろな教材や教具を使って教える授業

  • 日本:25.0%
  • 米国:46.4%
  • 中国:68.9%
  • 韓国:32.1% 

 

タブレット 、電子黒板、実物投影機・DVD・動画、プレゼンテーションソフトなどを活用する授業

  • 日本:15.3%
  • 米国:85.1%
  • 中国:87.1%
  • 韓国:67.6%

 

個人で調べたり、まとめたり、発表する授業

  • 日本:16.6%
  • 米国:62.0%
  • 中国:44.9%
  • 韓国:28.5%

 

グループで課題を決め、考えたり調べたりする授業

  • 日本:11.9%
  • 米国:28.8%
  • 中国:57.1%
  • 韓国:34.9%

  

 学校外での見学や体験をする授業

  • 日本:5.3%
  • 米国:10.5%
  • 中国:29.1%
  • 韓国:13.7%

 

なんとなんと、上記の全ての項目において、日本は最も低い数値となっておりました・・・。

特に電子教材の活用状況に関しては、他国と比較するとかなり遅れている結果になっています。日本においても電子教材の導入は進んできているようですが、活用の状況はまだまだといったところでしょうか。

また、他の項目からは、アクティブラーニング型の授業も他国と比較すると導入が進んでいないことを読み取ることができます。

昨今、教員の長時間労働が大きな問題になっていますが、学校全体として教育内容のブラッシュアップのために必要な時間を割くことができてこなかったことの結果なのではないかなと感じてしまいます。

 

 

 次に、授業中に高校生自身がどのような態度や行動をとっているかに関する質問の回答結果です。

 

授業中、きちんとノートをとる

  • 日本:79.4%
  • 米国:60.8%
  • 中国:67.7%
  • 韓国:50.8%

 

さすが日本の高校生、他国の高校生と比べノートをしっかりとっています!

ただ、前述の授業の進め方を見ると、日本の高校の授業は必然的にノートをとらなければいけないような内容であるとも言えそうですね。

 

問題はここからです・・・

 

授業中、居眠りをする

  • 日本:15.0%
  • 米国:3.8%
  • 中国:3.3%
  • 韓国:8.4%

 

これについても、講義型の授業が中心だからなのでしょうか、はたまたクラブ活動で疲れ切っているのでしょうか、日本の高校生は断トツに居眠りをしていますね・・・

 

グループワークの時には積極的に参加する

  • 日本:25.3%
  • 米国:68.1%
  • 中国:45.4%
  • 韓国:54.2%

 

国民性でしょうか、それとも学校教育の伝統なのでしょうか、これも突出して日本は低い数値になっていますね。

ここにも、今後の教育内容を検討する上でのヒントがありそうですね。

 

教育のプロではありませんので偉そうなことは言えませんが、このような客観的なデータを踏まえた上で、学校のあり方、授業の進め方についてはまだまだ再考の余地があるのではないかと感じます。

 

 

(文責:木村)

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