寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

新入社員を迎える心構え

4月がもうすぐそこまでやってきました。

4月といえば、幼稚園では入園式、学校では入学式、企業では入社式です。新しい人生のスタートを迎える皆さんには、是非とも新たな舞台で思いっきり楽しんで、思いっきり頑張っていただきたいものです。

一方で、新しい人生をスタートさせる人々がいれば、そんな彼らを迎える側の人々もいるわけです。企業の場合は先輩社員、学校や幼稚園の場合は先輩教職員がそれに該当するわけですが、迎え入れる側にも心構えが必要です。

 

www.nikkei.com

(会員限定記事の為、一部しかご覧いただけません。ご容赦下さい。)

 

この人手不足の折に入社、入職してくる新入社員や新入教職員ですが、迎える側が対応を誤ってしまうと、彼らの意欲を低下させ、最悪の場合には離職にも繋がりかねません。

 

ちなみに、記事によると、今どきの新入社員の特徴として以下のように挙げられています。

 

一見、優等生が多い。遅刻、居眠り、忘れ物などはほとんどしない。研修で課題を与えられてもそつなくこなし勉強熱心。予習も復習もやってくる。人当たりも良く、あいさつもできる。

 

と、何やら頼もしそうな感じですが、その反面、心配な面もあるそうです。

 

他人の目を気にし、常に自分がどう見られているかを意識する。横並び意識も強く、同期と同じことができているか気になる。だから一人だけ目立つことは極端に嫌がる。失敗を恐れるため新しいことに挑戦しない。

 

基本的なビジネスマナーの一つに「ホウレンソウ」がある。報告、連絡、相談だが、最近の新入社員はこれができない。

 

情報化社会で育った彼らは周囲に聞かず、まずインターネットで検索する。答えが出ないとあきらめる傾向がある。

 

新しいことに挑戦せず、ホウレンソウもないままシレーっと諦めている・・・となるとかなりやっかいですね・・・。

もちろん、最近の新入社員が全員がそうとは思いませんし、個人的にはこれまでもこのようなタイプの新入社員は少なからずいたと思うのですが、とにかくこのような新入社員が増えてきているというのであれば、迎え入れる側はより一層の努力と忍耐が必要となります。

 

とはいえ、迎え入れる側にも我慢の限界があります。時には叱る事が必要な場面もあるでしょう(私も新入社員時代はよく怒られていましたし・・・)。

 

そんな叱る時の心構えが「かりてきたねこ」だそうです。

 

か ・・・ 感情的にならない

り ・・・ 理由を話す

て ・・・ 手短に

き ・・・ キャラクター(性格や人格)に触れない

た ・・・ 他人と比較しない

ね ・・・ 根に持たない

こ ・・・ 個別に叱る

 

どれも冷静に考えれば当たり前のことばかりなのですが、叱るような場面での冷静でなかなか冷静にはなれませんので、ついつい「かりてきたねこ」と真逆のことをやってしまいがちではないでしょうか。

 

新入社員に対して過度に気を遣うがあまりに叱るに叱れないなんてことになると本末転倒ですから、大切な人材を大切に扱うという意味では時には叱ることも必要な場面があるでしょうし、そんな時には「かりてきたねこ」をしっかりと意識したいですね。

 

また、これらは新入社員を迎えるときの心構えとしての紹介でしたが、新入社員に対してだけではなく、また年齢も関係なく、部下を持つ方が部下に対して指導をする場合にもこれらは意識しなければいけないことだろうと感じます。

 

 

(文責:木村)

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平成28年度学校法人の運営等に関する協議会

学校法人さんとのお付き合いも今年で丸10年が経過しました。

その中で、自らの勉強のため、そして各校への情報提供のためということでいろいろと資料を訪ねることを続けてくると、毎年必ず確認する資料、というものだけでも結構な量になります。

本日はその中のひとつをご紹介しましょう。

文科省HPより。

 

平成28年度学校法人の運営等に関する協議会:文部科学省

 

例年1月末ごろに開催されている「学校法人の運営等に関する協議会」。

誰のための会なのかはよく分かりませんが、この会では文部科学省の各部局担当者による所管事項説明が行われているようです。

そしてその当日資料が掲載されているのが上記ページです。

これらの資料、結構なボリュームにはなるものの、その時点で何が教育行政のトピックになっているのかを知るのに役に立ちます。

 

ただ、ページをご覧いただいてお分かりになる通り、資料の表題がすべて「説明資料」という名前になっていて、どんな資料なのかは開いてのお楽しみ、という形式が取られています。

というわけで、毎年いちいちリンクを開いては、あ、これはこんな内容なんだ、というふうに確認する必要があるわけです。

これは非常に面倒です。。。

私学関係者の皆様はこの時期大変ご多忙でもありますので、本ブログでは資料の内容を表題に示して、ご興味のあるものを開いていただけるようにしてみたいと思います。

 

高等教育局大学振興課

高大接続改革(3つのポリシー)/スタッフ・ディベロップメントに関する省令改正/大学・大学院入学資格の見直し/スーパーグローバル大学創生支援事業/卓越大学院プログラム構想推進委託事業/大学入学希望者学力評価テストプレテストの実施/基礎研究医養成活性化プログラム

 

高等教育局学生・留学生課

大学等奨学金事業の充実

 

高等教育局高大接続改革プロジェクトチーム

高大接続改革の動向について(高等学校教育の改革)

高大接続改革の動向について(大学教育の改革・大学入学者選抜の改革)

 

高等教育局高等教育企画課新たな高等教育機関プロジェクトチーム

実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化について

 

高等教育局私学部私学行政課

私立大学等の振興に関する検討会議/平成29年度文部科学関係税制改正要望事項の結果/近年の大学等の設置認可等の動向と寄附行為認可の審査等における指摘について/最近の私学共済制度をめぐる主な動向

 

高等教育局私学部私学助成課

平成29年度私立学校関係政府予算案等について

 

高等教育局私学部参事官

私立学校の経営状況について/学校法人運営調査委員制度の概要/監事機能の充実強化について/平成27年度学校法人の財務情報等の公開状況に関する調査結果について/学校法人の届出・証明等の概要

いくつかの資料はお互いの情報が重なってしまっていますが(部局間調整はなされないのでしょうか)、一応それぞれのテーマで括られていますのでご活用いただければ幸いです。

 

ちなみに個人的には最後に掲載した資料が一番興味深く感じます。

私学の経営支援を行っている弊社ですから当たり前かもしれませんが。。。

この資料を見ながら、入学者の確保、ひいては収入の確保が今後の大きな課題であることを再認識しています。

もうすぐ新年度。

今こそ計画経営が必要です。

 

(文責:吉田)

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「長時間労働」に関するアンケート調査

昨今話題の「長時間労働問題」については当ブログでもよく取り上げていますが、東京商工リサーチが全国1万2,519社を対象に長時間労働に関するアンケートを実施しました。

 

www.tsr-net.co.jp

 

まず、残業の実態についてです。

 

残業の有無について、「恒常的にある」が7,095社(構成比57.3%)で6割近くを占めた。次いで、「時々ある」が4,504社(同36.4%)、「ない」と「させない」は764社(同6.1%)と1割未満にとどまった。
 「残業がある」は、全体の93.8%にのぼり、規模を問わずほとんどの企業で残業が行われている実態が浮き彫りになった。
 企業規模別では、大企業(2,898社)では「恒常的にある」が2,021社(構成比69.7%)、「時々ある」が825社(同28.4%)で、「残業がある」は2,846社(同98.2%)に及んだ。
 中小企業等(9,465社)は、「恒常的にある」が5,074社(構成比53.6%)、「時々ある」が3,679社(同38.8%)で、「残業がある」は8,753社(同92.4%)で、中小企業等の方が残業のある比率は5.8ポイント低かった。

 

具体的にどの程度の残業が発生しているのかまではわかりませんが、ほとんどの企業では残業自体が当たり前になっているようです。

 

では、どのような理由で残業が恒常的に発生してしまっているのでしょうか。

 

残業の理由は、トップが「取引先への納期や発注量に対応するため」が6,170(構成比37.6%)で約4割を占めた。次いで、「仕事量に対して人手が不足している」が4,058(同24.7%)、「仕事量に対して時間が不足している」が3,463(同21.1%)、「日常的なことなので特に理由はない」が1,213(同7.3%)、「不明」が68(同0.4%)の順。取引先との関係で避けがたい状態が浮き彫りとなった。
 「その他」では、「突発的な事態への対応」(人材派遣業)、「季節業務対応」(会計事務所)、「動物を扱う仕事のため」(酪農業)、「現場作業や顧客への対応のため」(建設業)など、自社都合では避けられない事情もある。
 また、「実質的に残業代が給料の一部になっている」(鍛造業)など、残業代が生活費に織り込まれているケースも見受けられ、賃金引上げとの兼ね合いに広がっている。
 大企業では、「仕事量に対して人手が不足している」は1,254(構成比30.0%)、「取引先への納期や発注量に対応するため」が1,202(同28.8%)、「仕事量に対して時間が不足している」が1,032(同24.7%)で、この3項目が上位に並んだ。
 中小企業等では、最多が「取引先への納期や発注量に対応するため」の4,968(同40.6%)。次いで、「仕事量に対して人手が不足している」が2,804(同22.9%)、「仕事量に対して時間が不足している」が2,431(同19.8%)で、上位を占めた。中小企業等は、取引先との関係による理由が大企業を11.8ポイント上回り、納期(工期)を守り、受注先との取引関係を維持するために残業が増える構造的な課題が浮かび上がっている。

 

企業は顧客や取引先があって成り立ちますから、1位の取引先対応については自社の努力だけでは確かに限界がありますね。また、2位の人手不足については、昨今はどの業界の企業にとっても非常に悩ましい問題です。先日、ある外食企業の経営者の方とお話しする機会があったのですが、現場(店舗)の人手不足はますます深刻化していると仰っておられました。

 

残業が恒常的に発生することには構造的な問題が大きく絡んでいるようですが、だからといってこのまま放置しておくわけにはいきません。

79.7%の企業が残業を減らす何らかの努力を行っていると回答しており、主な取り組みとして以下が挙げられています。

 

残業削減に取り組んでいる施策は、トップは「仕事の効率向上のための指導」が7,123(構成比37.8%)で約4割を占めた。次いで、「仕事の実態に合わせた人員配置の見直し」が5,621(同29.8%)、「ノー残業デーの設定」が2,981(同15.8%)、「勤務体系や役職等の変更」が1,545(同8.2%)、「労働組合等との協定見直し」が356(同1.8%)、「削減度合いに応じたインセンティブ支給」が171(同0.9%)の順。効率化の施策が中心だった。
 規模別では、「仕事の効率向上のための指導」が(大企業1,759・構成比34.7%、中小企業等5,364・構成比38.9%)、 「仕事の実態に合わせた人員配置の見直し」が(同1,300・同25.6%、同4,321・同31.3%)、「ノー残業デーの設定」が(同1,253・同24.7%、同1,728・同12.5% )と、上位は規模に関係なく同じ回答が並んだ。
 しかし、「ノー残業デーの設定」は規模により構成比に約2倍の開きがあり、人手不足で余裕の乏しい中小企業等ではノー残業デーの設定は困難な実態を示している。

 

上位には、業務効率化に関する指導と人員の適正配置が挙げられています。

ここで重要なのは、現状の把握とあるべき姿の設定をしていないと、どちらも大きな成果は期待できないということです。

組織の業務効率を図ろうにも、現状のどこに問題があって、どうすれば理想の姿に近づけることができるかが明確になっていないと、見当違いな取り組みによって組織にさらなる混乱をもたらしかねませんし、残業時間がより増加してしまうおそれもあります。

また、そのような状況でノー残業を導入すれば、見えない残業=持ち帰り残業が増えることは目に見えています。

 

これらは企業だけでなく、学校や幼稚園においても同じことが言えるのではないでしょうか。

現在地を知る(職場の現状を正確に把握する)、目的地を設定する(あるべき姿を明確にする)、まずはこの二つの作業をしなければ、何に取り組むべきかが明確になりませんし、何も改善されないままいたずらに時間だけが過ぎていくかも知れません。

 

管理職以上の方々がいかに組織全体を俯瞰的に観察できるか、また、固定概念を取り払っていかにあるべき姿を明確にすることができるか、これらが重要ではないかと感じます。

 

(文責:木村)

 

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平成28年度 教職員団体への加入状況に関する調査結果について

毎年このブログで紹介している内容を今年もまた。

文科省HPより。

 

平成28年度 教職員団体への加入状況に関する調査結果について:文部科学省

 

公立学校の教職員を対象とした調査結果です。

調査日は平成28年10月1日現在となっています。

HPには非常に端的に結果が記載されていますので、そちらを見ておきましょう。

 

教職員全体の加入状況

○ 教職員団体全体の加入率は、昭和51年以降41年連続の低下

→ 加入率 35.2%(前年度36.3%) 前年度比 マイナス1.1ポイント

○ 日本教職員組合日教組)への加入率は、昭和52年以降40年連続の低下

→ 加入率 23.6%(前年度24.2%) 前年度比 マイナス0.6ポイント

 

新採用教職員の加入状況

○ 教職員団体全体の新採用教職員の加入率は、昨年度と同率

→ 加入率 24.3%(前年度24.3%) 前年度比 プラスマイナス0.0ポイント

○ 日教組への新採用教職員の加入率は、昨年度に比べ低下。

→ 加入率 18.6%(前年度18.8%) 前年度比 マイナス0.2ポイント

以前は組合が強いと言われた公立教職員ですが、今や加入率は3人に1人となっており、新規採用者に限ると4人に1人を切っている状況です。

このこと自体の良し悪しを論じることはできませんが、少なくとも労働組合というものの存在感は小さくなってきていることは間違いないでしょう。

労働者として、職場環境の改善、あるいは処遇の改善を求める動きは以前に比べて小さくなっているのかもしれませんね。

それだけ労働環境は整っているケースが多い、とも言えるのかもしれません。

公立校はともかく、私学においては世間の同規模の企業と比べると、処遇の水準は高いケースが多いことは、私自身も肌で感じているところではあります。

 

ただ、学校における教職員はサービスの最前線に立つ方々です。

これらの方々が十分満足を得ずにその最前線に立つことは、サービス低下、すなわち学校で行われる教育活動の低下につながる恐れがあります。

ここが人事制度改革の難しいところと言えるでしょう。

 

経営上は、人件費水準を一定レベルにとどめたい。

ただ、教育の質に悪影響を及ぼしてはならない。

このせめぎあいの中で、人事制度の議論を進めていかねばならない…そんな私学が昨今多く存在しているように思います。

 

私がそのようなことに関わる中で確実に言えることがあるとすれば、それは「改善は『思い立ったが吉日』である」ということです。

人事制度を変えるには気の遠くなるような時間が必要です。

評価制度を導入するにも、給与制度を変えるにも、ましてや退職金制度を変えるにはそれは長い時間がかかるものです。

だからこそ、スタートを早める必要があります。

経営に影響が及び始めてから着手すれば、それは「痛みを伴う変化」にならざるを得ません。

緩やかな改善を果たすためにも、労使が力を寄せ合い、「学校の永続」という双方のメリットになるただひとつの目的に向けて進んでいただければと願っております。

 

(文責:吉田)

 

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高等学校におけるICT活用状況

ここ最近、学校現場でのICTの利活用が進み、教育内容が大きな転換期をむかえているように感じます。オフィスはもちろん多くの家庭にPCがあったり、子ども達は当たり前のようにスマホを利用している時代ですから、学校現場だけが昔のままという訳にはいかないのが世の中の流れですね。

 

ただ、株式会社旺文社が、全国の高等学校計1,346校を対象に高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態について調査した結果を見ると、課題は多いようです。

 

www.obunsha.co.jp

 

タブレット型PCを1台以上導入している高等学校は、約3割


ICT活用端末として注目されているタブレット型PCを校内に1台以上導入している高等学校の割合は、全体の29.6%となりました。主に私立高等学校での導入が、配備率・配備数ともに牽引している状況です。


タブレット型PC導入校の約半数が「活用できていない」。「教員のスキル」を課題に挙げる学校が多数


タブレット型PCの活用状況について調査したところ、導入校の約半数が「活用できていない」と答えています。なかでも、課題として挙げられた回答は「教員の活用スキルの引き上げ」が最も多く、高等学校での教務・指導への効果的な活用に対して、教員側が抱く課題意識が浮き彫りとなりました。

 

せっかくタブレット型端末を導入したにも関わらず、半数程度の学校で十分に活用できていないようです。

活用に向けての課題として挙げられているのが「教員の活用スキルの引き上げ」とのことですが、確かに過去に経験のない試みをスタートさせる訳ですから、機器を導入したからといって全てがうまくいくわけではありません。当然、試行錯誤を繰り返しながら進めていくしかないのでしょう。

 

ただ、昨今の教員の長時間労働問題を踏まえると、このような研究に十分な時間を割くことができていないことも考えられますし、中には「タブレットなんて触ったことがないんだけど・・・」という教員の方もいらっしゃるかと思います。

 

ICTの導入にあたっては、何を実現するために導入するのかであったり、どのように活用すれば十分な教育効果を発揮することができるのかをしっかりと検討する必要があると感じます。

 

そして何より、他校での成功事例があれば積極的に取り入れる(教えてもらう)ことも必要ではないでしょうか。

 

 

(文責:木村)

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紙ってる?

ここ数年、様々な物議を醸している「ユーキャン新語・流行語大賞」ですが、2016年の年間大賞は「神ってる」でした。さて、どの程度の方々が覚えておられるでしょうか(笑)

この言葉は広島カープファンを中心とした一部の間だけでの流行では・・・という声もチラホラありましたが、野球観戦が好きな私にとっては、その他の言葉と比較すれば馴染みのある言葉でした。ただ、他にどのような流行語があったのかはすでにほとんど覚えていませんが・・・。

 

さて、本日のお題は「神ってる」ではなく、「紙ってる」です。

 

www.optex-fa.jp

 

オプテックス・エフエー株式会社が、「センサ(1003)の日」を記念し、ものづくりに関わる“現場”にまつわる川柳を募集したところ、大賞に選ばれたのがこの作品です。

 

デジタル化 遅れた社内は 紙ってる

 

非常によくできた作品ですね(笑)

確かに、PCによるデータ管理が進んでいないと、まさに「紙ってる」現場になってしまいますね。

 

ただ、ものづくりの現場に限らず、このような現象が起こっている学校や幼稚園もあるのではないでしょうか。

確かに、生徒や児童、保護者へ配布する印刷物だけでなく、その他管理が必要な書類もたくさんあるでしょうが、必要な情報がデータ化されていないことにより、書類を探し回ることになって、業務効率の低下を招いてしまいます。また、データ化されていれば簡単にできる分析等の作業も大変面倒なものになってしまうでしょう。

 

現在、学校や幼稚園の教職員の方々に求められる業務は膨れ上がる一方、長時間労働の是正に向けた動きも出てきています。

 

業務を効率化する上でも、「紙ってる」現場からの脱却が求められます。 

 

 

(文責:木村)

 

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平成28年度英語教育改善のための英語力調査 報告書

昨今、英語への注目度が高い状態が続いています。

学校教育の中でも英語の重要度は上がるばかり、そんな気配ですが、さて実際に英語力は高まっているのでしょうか。

昨年6月~7月ごろに実施された調査結果が発表になりましたので本日はそちらをご紹介しましょう。

文科省HPより。

 

平成28年度英語教育改善のための英語力調査 報告書:文部科学省

 

まずは調査概要から。

1.調査目的
「第2期教育振興基本計画」(平成25年6月:閣議決定)、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」(平成25年12月:文部科学省発表)などにおいて、生徒の英語力の目標設定、検証を通じた改善を行うことについて提言がなされたことを受け、本フィージビリティ調査を実施した。

2.調査対象
全国無作為抽出により、全国の中学校3年生約6万人(国公立約600校)対象に、平成27年度との経年比較調査を実施した。

3. 調査事項及び方法
(1)英語力調査の実施
学習指導要領に基づき、4技能(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)を対象とした試験を実施した。ただし、「話すこと」については1校あたり1クラス40人程度を対象とした。
(2)生徒質問紙調査及び学校質問紙調査の実施
(3)「話すこと」の事前研修、「話すこと」「書くこと」の検収の状況、実施体制などの追加調査の実施

上記にある通り、本調査は公立校の生徒のみを対象としている点にご留意ください。

 

続いて調査結果のみを抜粋して掲載します。

太字装飾は筆者が勝手に付けたものです。 ご容赦ください。

1.生徒全体の英語力の傾向

・国の目標(CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)A1上位レベル以上)の生徒の割合が「読むこと」「話すこと」において微減(「読むこと:26.1%→25.3%」「話すこと:32.6%→31.2%」)、「聞くこと」「書くこと」は微増(「聞くこと:20.2%→24.8%」「書くこと:43.2%→50.8%」) となっており、4技能のバランスがとれておらず、依然として課題がある。
・「書くこと」の得点者は、A1上位レベル以上の割合が50.8%と4技能の中で最も高いが、一方で、無得点者が15.6%となるなど、昨年度と同様の傾向である。

2.英語学習に対する生徒の意識

○「英語の学習は好きですか。」
・「英語の学習が好きではない」との回答が45.4%(対前年2.2ポイント増加)。
テストスコアが高いほど、 「英語が好きである」生徒の割合が高い
特に「書くこと」については、テストスコアが高い層と低い層の英語学習に対する意欲の差が大きい
また、「書くこと」について、「英語学習が好きではない」と回答したA1下位レベルの生徒は、「英語そのものが嫌い」、「単語の綴りや文字を覚えることが難しい、文法が難しい」と回答した者が多い。
○「どの程度まで英語を身に付けたいと思っていますか。」
・現在の英語力のレベルによって将来の英語使用のイメージが異なる。
「英語をどの程度身に付けたいと思っていますか」という問いに対し、「書くこと」「話すこと」のテストスコアが高いほど、「英語を使って国際社会で活躍できるようになりたい」、「海外でのホームステイや語学研修を楽しめるようになりたい 」といった将来の英語使用のイメージが明確な生徒の割合が高い

3.4技能の言語活動に対する生徒の意識

〔聞くこと〕
○「英語を聞いて(一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動をしていたと思いますか。」
・英語を聞いて概要や要点をとらえる活動をしていたと答えた生徒は、73.8%(対前年1.3ポイント増加) 。
「聞くこと」のテストスコアが高いほど、授業において「英語を聞いて(一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動をしていたと思う」 生徒の割合が高い

〔話すこと〕
○「与えられた話題について、(特に準備をすることなく)即興で話す活動をしていたと思いますか。」
・与えられた話題について、即興で話す活動をしていたと答えた生徒は、52.0% (対前年2.4ポイント増加) 。
「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「与えられた話題について、即興で話す活動をしていたと思う」生徒の割合が高い
○「英語でスピーチやプレゼンテーションをしていたと思いますか。」
・英語でスピーチやプレゼンテーションをする活動をしていたと答えた生徒は、61.0% (対前年2.0ポイント増加) 。
「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「英語でスピーチやプレゼンテーションをしていたと思う」生徒の割合が高い

〔読むこと〕
○「英語を読んで(一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動をしていたと思いますか。」
・英語を読んで概要や要点をとらえる活動をしていたと答えた生徒は、76.4% (対前年1.1ポイント増加) 。
「読むこと」のテストスコアが高いほど授業において「英語を読んで一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動をしていたと思う」生徒の割合が高い

〔書くこと〕
○「聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりしていたと思いますか。」
・聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりする活動をしていたと答えた生徒は、63.4% (対前年1.2ポイント増加) 。
「書くこと」のテストスコアが高いほど、授業において「聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりしていたと思う」生徒の割合が高い

〔統合型〕
○「聞いたり読んだりしたことについて、生徒同士で英語で問答したり意見を述べ合ったりしていたと思いますか。」
・聞いたり読んだりしたことについて、生徒同士で英語で問答したり意見を述べ合ったりする活動をしていたと答えた生徒は、68.7%(対前年1.5ポイント増加)。
「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「聞いたり読んだりしたことについて、生徒同士で英語で問答したり意見を述べ合ったりしていたと思う」生徒の割合が高い

 

好きこそものの上手なれ、という言葉がぴったりくるような結果ですね。

そして、好きになることと目標設定は深い関係があるようにも思います(どちらが先かはわかりませんが…)。

また、学校での取組(教育内容)が生徒の能力向上に寄与していることもよく分かります。

当然と言えば当然ですが、こうやって教育の効果測定がなされると非常に分かりやすいですね。

 

なお、本調査には「調査結果の傾向と指導改善のポイント」も掲載されています。

改善が必要な技能について、こんな点に気を付けて指導してくださいね、というポイントを記してくれていますので、英語の先生方はご参考になるところもあるのではないでしょうか。ご参考までに。

 

(文責:吉田)

 

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