弊社では2017年度も学校経営セミナーを開催いたします。
弊社ホームページに開催セミナーの一覧を掲載しており、画面から参加のお申込みも可能ですので、是非ともご覧いただければ幸いです。
2017年度の学校経営セミナーは『「ひと」を活かし、「しくみ」を活かす』をテーマとして、経営力の強化にお役立ていただけることはもちろん、ご参加いただく皆様方どおしのつながりを構築できるよう工夫してまいりますので、是非ご参加下さい!
(文責:木村)
弊社では2017年度も学校経営セミナーを開催いたします。
弊社ホームページに開催セミナーの一覧を掲載しており、画面から参加のお申込みも可能ですので、是非ともご覧いただければ幸いです。
2017年度の学校経営セミナーは『「ひと」を活かし、「しくみ」を活かす』をテーマとして、経営力の強化にお役立ていただけることはもちろん、ご参加いただく皆様方どおしのつながりを構築できるよう工夫してまいりますので、是非ご参加下さい!
(文責:木村)
御校の学校図書館、活用されていますでしょうか。
先日もある公立校の学校図書館を視察させていただいたのですが、蔵書の豊かさとともに、陳列や配置の工夫、そして目を引くPOP等、図書館司書の頑張りが伝わってくるような素敵な図書館でした。
このように、図書館の充実に力を注ぐ学校がある一方で、図書館そのものの組織的な位置づけがそれほど高くないというケースもたびたび見かけます。
教育機関において、「自学自習」「調査」「研究」の拠点となり得る図書館は、活用次第で学校の目玉施設にすることもできるのではないでしょうか。
御校での図書館の存在感、いかがでしょうか。
さて、こんな通知が出されました。
文部科学省HPより。
通知文の冒頭にはこんなことが書かれています。
文部科学省では,学校図書館の運営に係る基本的な視点や学校司書の資格・養成等の在り方等について検討するため,「学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議」を設置し,本年10月に「これからの学校図書館の整備充実について(報告)」(以下「本報告」という。)(別添参考資料)を取りまとめていただいたところです。
このたび,本報告を踏まえ,文部科学省として,別添のとおり「学校図書館ガイドライン」(別添1)及び「学校司書のモデルカリキュラム」(別添2)を定めましたので,お知らせします。
ということで、ガイドラインが定められたとのこと、どんなことが書かれているのでしょうか。
リンクを貼っておきます。
時間のない方のために…目次はこんな感じです。
(1)学校図書館の目的・機能
(2)学校図書館の運営
(3)学校図書館の利活用
(4)学校図書館に携わる教職員等
(5)学校図書館における図書館資料
(6)学校図書館の施設
(7)学校図書館の評価
目次をざっと見て、学校で見聞きしている現状と照らし合わせると、特に重要だと感じるのは(3)(4)あたりのような気がします。
というわけで、まずは(3)を見てみましょう。
下線は筆者が付けております。
(3)学校図書館の利活用
学校図書館は,児童生徒の興味・関心等に応じて,自発的・主体的に読書や学習を行う場であるとともに,読書等を介して創造的な活動を行う場である。このため,学校図書館は児童生徒が落ち着いて読書を行うことができる,安らぎのある環境や知的好奇心を醸成する開かれた学びの場としての環境を整えるよう努めることが望ましい。
学校図書館は,児童生徒の学校内外での読書活動や学習活動,教職員の教育活動等を支援するため,図書等の館内・館外貸出しなど資料の提供を積極的に行うよう努めることが望ましい。また,学校図書館に所蔵していない必要な資料がある場合には,公共図書館や他の学校の学校図書館との相互貸借を行うよう努めることが望ましい。
学校は,学習指導要領等を踏まえ,各教科等において,学校図書館の機能を計画的に利活用し,児童生徒の主体的・意欲的な学習活動や読書活動を充実するよう努めることが望ましい。その際,各教科等を横断的に捉え,学校図書館の利活用を基にした情報活用能力を学校全体として計画的かつ体系的に指導するよう努めることが望ましい。
学校は,教育課程との関連を踏まえた学校図書館の利用指導・読書指導・情報活用に関する各種指導計画等に基づき,計画的・継続的に学校図書館の利活用が図られるよう努めることが望ましい。
学校図書館は,教員の授業づくりや教材準備に関する支援や資料相談への対応など教員の教育活動への支援を行うよう努めることが望ましい。
単に読書をする、ということを超えて、学びの環境づくりについて言及されていますね。
そして、子どもたちのみならず、教員のための図書館、という考え方も書かれています。
続いて(4)です。
(4)学校図書館に携わる教職員等
学校図書館の運営に関わる主な教職員には,校長等の管理職,司書教諭や一般の教員(教諭等),学校司書等がおり,学校図書館がその機能を十分に発揮できるよう,各者がそれぞれの立場で求められている役割を果たした上で,互いに連携・協力し,組織的に取り組むよう努めることが望ましい。
校長は,学校教育における学校図書館の積極的な利活用に関して学校経営方針・計画に盛り込み,その方針を教職員に対し明示するなど,学校図書館の運営・活用・評価に関してリーダーシップを強く発揮するよう努めることが望ましい。
教員は,日々の授業等も含め,児童生徒の読書活動や学習活動等において学校図書館を積極的に活用して教育活動を充実するよう努めることが望ましい。
学校図書館がその機能を十分に発揮するためには,司書教諭と学校司書が,それぞれに求められる役割・職務に基づき,連携・協力を特に密にしつつ,協働して学校図書館の運営に当たるよう努めることが望ましい。具体的な職務分担については,各学校におけるそれぞれの配置状況等の実情や学校全体の校務のバランス等を考慮して柔軟に対応するよう努めることが望ましい。
(以下略)
組織全体で学校図書館を利活用する取組を行うべき、との内容が盛り込まれています。
個人的にはさらにこれを「各教職員が積極的に司書と連携する」ことまで進められれば、本当の意味で学校図書館が活性化するのではないか、と感じます。
現状、両者の連携は思ったほど進んでいないケースも多いように思いますので…
最後に、(7)も見ておきましょう。
(7)学校図書館の評価
学校図書館の運営の改善のため,PDCAサイクルの中で校長は学校図書館の館長として,学校図書館の評価を学校評価の一環として組織的に行い,評価結果に基づき,運営の改善を図るよう努めることが望ましい。
評価に当たっては,学校関係者評価の一環として外部の視点を取り入れるとともに,評価結果や評価結果を踏まえた改善の方向性等の公表に努めることが望ましい。また,コミュニティ・スクールにおいては,評価に当たって学校運営協議会を活用することも考えられる。
評価は,図書館資料の状況(蔵書冊数,蔵書構成,更新状況等),学校図書館の利活用の状況(授業での活用状況,開館状況等),児童生徒の状況(利用状況,貸出冊数,読書に対する関心・意欲・態度,学力の状況等)等について行うよう努めることが望ましい。評価に当たっては,アウトプット(学校目線の成果)・アウトカム(児童生徒目線の成果)の観点から行うことが望ましいが,それらを支える学校図書館のインプット(施設・設備,予算,人員等)の観点にも十分配慮するよう努めることが望ましい。
このブログの読者さんにはおなじみの「PDCA」サイクルについて言及されていますね。
すべての活動の基礎はここにあります。
そして、費用対効果についても記載があります。
限られたインプットを大きなアウトプット、アウトカムにできるかどうか。
ここが学校図書館の工夫のしどころなのでしょうね。
(文責:吉田)
昨今、待機児童問題が大きな話題となっており、解消への道のりは険しいようですが、その原因の一つとして保育士の不足が挙げられています。
保育士の不足の裏には過酷な労働環境があるとも言われますが、実態はどうなのでしょうか。
保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービスを行う株式会社ウェルクスが、保育士の残業時間に関するアンケート結果を公表しました。本日は、この調査結果の一部から、保育士の労働環境について考えてみたいと思います。
調査概要を見てみましょう。
- 実施期間:2016年12月23日~2017年1月16日
- 実施対象:保育士(84%)、幼稚園教諭(13%)、その他保育・教育関連(3%)
- 回答者数:204人
- 平均年齢:35歳
- 男女割合:女性94% 男性6%
まずは、一日あたりの残業時間に関する結果が、最も多い回答が「1~2時間」で34.8%、次いで「~1時間」が21.6%となっており、半数以上の方が毎日2時間以下の残業が発生しているという状況です。多くの園で残業が恒常化していると言える結果とはいえ、この質問に関しては一般企業の実態とあまり変わらないのではないかと思われます。
次に、残業時間内に終わらず持ち帰り残業となる頻度に関する結果ですが、何と32.8%の方が「ほぼ毎日」と回答しています。残業が恒常化していることに加え、持ち帰り残業まで恒常化しており、過酷な労働環境と言われることに納得してしまう結果となっています。
では、残業の原因となっていることは何でしょうか。以下の業務が原因として挙げられています。
- シフト作成
- 園だより
- 日誌
- 月案
- 会議
- 時間外預かり
- 掃除
- 制作物
- 行事の準備
- 研修
- 保護者対応
- 人が足りないときの緊急の助っ人
業務時間内は保育で手一杯で、これらの業務のために時間を割く余裕がないことが想像できます。子どもの生命を預かっている仕事ですから、限られた資源の厳しい環境の中でこれらの業務が後回しになってしまうことは当然とも言えるでしょう。
ただ、だからと言ってこの状態を放置しておくわけにはいきません。今回の調査では、残業時間を減らすために心掛けていることも質問されており、以下のような回答がありました。
- やることリストを作って時間を決めてからできるだけ集中して一気に終わらせるようにしたり、朝早く起きて家で仕事をしてから出勤
- 隙間時間を効率良く利用する。
- 会議で話す内容をまとめ、簡潔に終わるよう職員みんなで意識
- 職員で仕事を分担する
個人での改善には限界がある上に、残業の連続で疲れ切った状態が続くと気力も湧いてきませんが、仕事の分担や会議運営の工夫は組織として取り組むことができますので、持ち帰り残業を含む長時間労働が恒常化してしまっている園では是非取り組んでみてはいかがでしょうか。
構造的な問題もあり、保育士の方々の労働環境がすぐに改善されることは難しいかもしれませんが、「残業→モチベーションが低下/体調不良→離職→人手不足→もっと残業→・・・」といった負のスパイラルは絶対に断ち切らなければいけません。
残業は仕方ない、持ち帰り残業も当たり前、と考えてしまっては何も変わりませんし、全体の意欲は間違いなく低下する一方です。肝心の保育にも悪影響を及ぼしかねません。
そのようにならないためにも、特に管理職の方々には、園の運営のどこに改善の余地があるのかをしっかりと観察し、問題があれば少しでもより良い方法にチャレンジすることを組織として取り組んでいただければと思います。
(文責:木村)
長い題名の記事で、すみません。
今日はパブコメのご紹介です。
文部科学省HPより。
「第3期教育振興基本計画策定に向けた基本的な考え方」に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について:文部科学省
まずは、本件に関する趣旨を転載します。
平成30年度から開始する第3期教育振興基本計画の策定に向けて、平成28年4月より中央教育審議会教育振興基本計画部会を中心に審議が行われ、この度、「第3期教育振興基本計画策定に向けた基本的な考え方」がとりまとめられました。
つきましては、今後の議論の参考とするため、本件に関しパブリックコメント(意見公募手続)を実施いたします。
ちなみに実施期間は平成29年3月5日(日)までが予定されています。
教育内容について一家言ある方もたくさんいらっしゃると思います。
つぶやいている、愚痴っているだけではなく、このような機会をぜひ活かしていただければと思います。
すでに公募は始まっていますので、どしどしご応募ください。
さて、その前提となる「基本的な考え方」を見ておきましょう。
以下のリンクから全文を読むことができます。
すきま時間で読むには文章がちょっと長いですかね…
以下、ポイントを絞ってみましたのでご参考になさってください。
下線は筆者が付しています。
また、文章はかなりの省略を行っていますので、ご了承ください。
(それでもちょっと長いですが)
まずは、今後の「教育の目指すべき姿」について。
○ 教育に求められるものは、個人の面においては、自立した人間として、主体的に判断し、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材を育成していくこと、社会の面においては、一人一人が活躍し、豊かで安心して暮らせる社会の実現と、社会(地域・国・世界)の持続的な成長・発展を目指していくことである。
これがあるべき姿、理想像、というわけですね。
次に、それを実現するための「今後の教育政策に関する基本的な方針」について。
○ 第3期教育振興基本計画においては、以下の視点により具体的な施策を提示し、成果目標や指標を設定していくべきである。
1.夢と自信を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する
2.社会の持続的な発展を牽引するための多様な力を育成する
3.生涯学び、活躍できる環境を整える
4.誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する
5.教育政策推進のための基盤を整備する
○ 教育施策を効果的かつ着実に進めていくとともに、教育政策の意義を広く国民に伝え、理解の醸成を図っていく上でも、施策の目的に照らして求める成果を明確にするとともに、客観的根拠を整備して課題を把握し、評価結果をフィードバックして各施策に反映させていくといった、いわゆるエビデンスに基づくPDCAサイクルの確立をさらに進めていくことが必要である。
○ 施策の評価に当たっては、施策の目的や性質に応じた評価を実施する必要があるとともに、短期的視点での結果追求のみにならないように留意しつつ、評価しながら取り組んでいくことが重要である。
5つの柱があるということ、それらをPDCAサイクルで発展させていくということが記載されています。
では5つの柱のそれぞれについてもざっと見てみましょう。
1.夢と自信を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する
(確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成等)
○ これまでの教育の中で育まれてきた「生きる力」や、その中で重視されてきた知・徳・体の育成の現代的な意義を改めて捉え直し、必要な力を確実に育んでいくことが重要である。
○ また、こうした力を育むに当たり、いかなる状況下でも自らの命を守り、安全な生活や社会を実現するために主体的に行動する態度を養うことが求められる。
○ 近年、幼児期の教育がその後の学力や運動能力に与える影響や、大人になってからの生活への影響に関する研究が進展しており、幼稚園や保育園、認定こども園の区分や設置主体の違いに関わらず、全ての子供が健やかに成長するよう、幼児期から質の高い教育を提供することの重要性が高まっている。
○ 初等中等教育段階における、2030 年以降の社会の在り方を見据えた育成すべき資質・能力については、「何を理解しているか、何ができるか」、「理解していること・できることをどう使うか」「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」という三つの柱で確実に育成するため、次期学習指導要領の周知・徹底及び着実な実施を進め、主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」の視点)を推進することや、カリキュラム・マネジメントを確立することなどが重要である。
○ また、一人一人が学力の3要素を基盤に、自分に自信を持ち、多様な他者とともにこれからの時代を新たに創造していく力を持つことができるよう、高大接続改革を着実に進めることが求められる。
○ このため、高等学校教育においては、教育課程の見直し、学習・指導方法の改善と教員の指導力の向上、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の導入を含む多面的な評価を推進するとともに、大学入学者選抜においては、学力の3要素を多面的・総合的に評価するため、各個別大学の入学者選抜の改善や新たに「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入することが重要である。さらに、大学教育においては、三つの方針に基づく教学マネジメントの PDCA サイクルの強化の取組などを更に進め、大学教育の質
の向上を図り、学生の問題発見・解決能力を育成していくことが重要である。
○ 確かな学力に加え、子供の健やかな成長のためには、豊かな心を育むことも不可欠である。このため、豊かな情操や規範意識、自他の生命の尊重、自尊感情、他者への思いやり、対面でのコミュニケーションを通じて人間関係を築く力、公共の精神等の育成、日本の伝統や文化を継承・発展させるための教育を推進することが重要である。
○ また、体力は人間の活動の源であり、健康の維持といった身体面のほか、意欲や気力といった精神面の充実に大きく関わっている。このため、子供の頃から各教育段階に応じて体力の向上、健康の確保を図るとともに、食育を充実することが重要である。
○ こうした資質・能力を育んでいく際、教職員と児童生徒との信頼関係を築くことが重要である。また、いじめや不登校など生徒指導上の諸課題について、校長がリーダーシップを発揮し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家や関係機関・団体、家庭、地域と連携しつつ未然防止と早期発見・早期対応に学校を挙げて取り組むことが重要である。(キャリア教育・職業教育)
○ 各産業を支える人材として専門的な知識・技術の習得を図るとともに、多様な課題に対応できる課題解決能力を育成することができるよう、専門高校、高等専門学校や専修学校等において、地域や産業界との連携のもと、実践的な職業教育をより一層充実させていくことが重要である。(学校・家庭・地域の連携・協働)
○ 地域とともにある学校づくりや、地域の知の拠点となる大学の形成を進め、子供が各教育段階に応じ、地域企業等とも連携しながら地域の様々な課題を認識して解決に取り組んでいくなど、学校と地域の連携・協働体制を構築することが求められる。こうした取組を通じ、地域が人を育て、人が地域をつくる好循環を実現することは、地域の発展の担い手となる人材を育てる観点からも重要である。
○ また、家庭教育は、保護者が第一義的責任を有するものであるが、近年の家庭環境の多様化に伴い、地域全体で家庭教育を支える仕組みづくりが求められている。このため、学校や、子育て経験者をはじめとした地域人材など、地域の多様な主体が連携協力して、親子の育ちを応援していくことが重要である。(多様なニーズのある子供への対応)
○ グローバル化の進展によってますます増加することが見込まれる、海外に在留した後に帰国した児童生徒や、外国人児童生徒など、日本語指導が必要な子供についても、海外における学習・生活体験を活かしつつ国内の学校生活への適応を図っていく必要がある。(多様な人材と協働する力の育成)
○ 少子高齢化やグローバル化の一層の進展が予想される中においては、外国人、障害者、高齢者等も含め、多様な人々がそれぞれ得意な分野で能力を発揮するとともに、互いの違いを尊重しつつ支え合うことで、共生社会を創り上げていくことが不可欠である。
○ 特に、グローバル化に対応するためには、英語等の語学力に加えて、世界の人々と積極的にコミュニケーションを取り、国際社会の中で、バランス感覚を持ちつつ自ら挑戦する気概をもつこと、日本の歴史、伝統や文化に対する理解を深め、様々な国の人々と理解し合い協働できる姿勢を育むことが重要である。
○ また、障害者差別解消法の施行も踏まえ、障害のある子供が障害のない子供と可能な限り共に学ぶことを追求しつつ、教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様な学びの場を整備することが必要である。こうした多様で柔軟な仕組みを整備することにより、その能力や可能性を最大限に伸ばすとともに、他者とつながり、協働する力を育成することが不可欠である。具体的な取組例(「基本的な考え方」策定後に審議)
学習指導要領の着実な実施や大学教育の質の保証、高大接続改革の推進、小中一貫教育の推進、自己肯定感が低い現状を改善するための環境整備、規範意識や思いやりの心など豊かな心の育成、学校と地域における子供のスポーツ機会の充実など健やかな体の育成、体験活動、いじめの問題への対策、不登校児童生徒に対する支援や中退の防止、人権教育、インターンシップの推進、各学校段階における実践的な職業教育の充実、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化、コミュニティ・スクールの取組の加速、特別支援教育の推進、外国人児童生徒等への教育の充実、持続可能な開発のための教育(ESD)の推進 など
すでにだいぶ長いですね。。。失礼しました。これでもかなり端折ってるんですが。
こちらに記載されていることは、すでにいろいろな施策に反映されているようにも感じます。
末尾に掲載されている「具体的な取組例」が参考になると思います。
残りはさらにスピードアップしていきましょう。
2.社会の持続的な発展を牽引するための多様な力を育成する
(多様な個性や能力の最大限の伸長)
○ 各自が基礎・基本を身につけた上で、それぞれの得意な分野や個性に応じて社会の様々な場面においてリーダーシップを発揮して活躍し、新たな価値を創造して社会の持続的な発展を牽引していくことができるよう、優れた才能の伸長を含め、それぞれの個性や能力を最大限に伸ばしていくことが不可欠である。(グローバル人材育成等)
○ 英語をはじめとする外国語教育を強化するとともに、豊かな教養や、コミュニケーション能力、課題解決能力、異文化理解の精神等を育むため、学生等の海外留学促進や国際化に向けた先進的な取組を行う学校への支援等が必要である。
○ さらに、外国人留学生の国内企業への就職促進や奨学金等の充実といった受け入れ環境の整備を通じて日本で学ぶ魅力を高め、我が国社会の国際化や多様化、企業の国際競争力の維持・強化のために高等学校や高等教育機関を中心とした国際交流の推進や優秀な外国人留学生の確保・定着を促進するとともに、日本に関心のある外国人留学生を積極的に呼び込んでいくことも必要である。
(イノベーションを牽引する人材の育成)
○ イノベーションをリードする人材の育成のため、初等中等教育段階においては、児童生徒の意欲を高め、優れた素質を有する児童生徒等に対し、理数分野を含め専門性の醸成を図るとともに、幅広い視野を付与し、創造性を育む教育を提供することが求められる。そのため、例えば、体験的な活動を含む先進的な理数教育の機会の提供や児童生徒等が相互に研鑽する場の構築等の取組の充実を図る必要がある。
○ また、イノベーションを牽引する人材を育成するための取組を進めていく上では、高等教育の果たすべき役割は極めて大きく、教育の基盤となる研究力の向上や優秀な学生の育成強化などに取り組んでいくことが必要である。
(スポーツや文化芸術分野に秀でた人材の育成)○ スポーツや文化芸術分野において、子供のうちから質の高い専門家に出会う体験の機会の充実などを通じて、優れた才能や個性を見いだし、伸ばしていく取組が求められる。
具体的な取組例(「基本的な考え方」策定後に審議)
・ グローバル人材育成(外国語教育、日本人学生の海外留学促進、スーパーグローバルハイスクール、国際バカロレア等)、優秀な外国人留学生の戦略的な受入れ、外国人児童生徒等への教育充実、在外教育施設における教育の充実、次代の科学技術イノベーションを担う人材の育成(スーパーサイエンスハイスクール等)、独創的で優秀な研究者の養成など持続的なイノベーション創出のための教育研究、優れた素質を有するジュニアアスリートの養成や新進芸術家への研修 など
3.生涯学び、活躍できる環境を整える
(一人一人が活躍していくための学びの継続)
○ 技術革新の進展により、今は存在しない新しい職業への就業や、時間や場所にしばられない働き方など、仕事・働き方の多様化がさらに進むとともに、長寿化の進展により、これまで以上に長期にわたり刻々と変化する社会に対応し、必要な知識や技能を身につけていくことが求められる。このため、年齢や性別にかかわらず、全ての人が継続して学習できる環境を整備していくことが必要である。(社会人の学びの継続・学び直しの推進)
○ 学びの継続・学び直しを進めていくためには、社会に開かれた高等教育を考えていくことが必要である。大学における公開講座の受講者数は、近年増加傾向にあるものの、大学・専修学校における社会人受講者の割合は1割程度にとどまっており、今後産業界と連携した教育カリキュラムの編成・実施や働きながら学べる機会の確保、経済的な支援などを通じ、生涯を通じた学びを推進していく必要がある。併せて、産業構造の変化や社会人・企業等のニーズを踏まえながら、働きながら学べる教育機会の提供や転職・再就職に役立つプログラムの拡充など働き方改革とも連動した取組を進めていくことが重要である。
(人生 100 年を見据えた「二つ目の人生を生きる力」の養成)
○ 大人も知・徳・体の調和の取れた力を養っていくことがますます重要となっており、健康を維持して必要な知識・技能を学び、知的・人的ネットワークを構築し、人生の可能性を広げて新たなステージで活躍するというサイクルを実現し、人生を豊かにする「二つ目の人生を生きる力」を養うことが不可欠となる。
具体的な取組例(「基本的な考え方」策定後に審議)
・ 社会人や高齢者の学び直しの推進、ライフステージに応じたスポーツ活動の推進、障害者の生涯学習の推進、学びを通じた地域づくりの推進 など
4.誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する
(全ての人々が教育を受けられる機会の確保)
○ 幼児期の教育は、生涯にわたる学びと資質・能力の向上に大きく寄与するものであり、幼稚園等の全ての子供が質の高い教育を受け、共通のスタートラインに立つことができるようにする必要がある。また、経済的に厳しい状況に置かれた家庭の生徒の大学進学率は、他と比較して低く、意欲と能力のある全ての子供が社会で求められる力を修得するため、安心して高等教育段階へと進めることができるようにする必要がある。
○ 加えて、多様なニーズを持つ子供が必要な教育を受けられる機会を提供するとともに、社会において自立的に生きる基礎となる義務教育について、様々な事情により十分受けていない人々に対し、年齢等に関わりなく、多様な学習活動の実情を踏まえた教育機会の確保等を進めることが求められる。(学校・家庭・地域が連携した教育格差への対応)
○ 経済的事情などを背景とした教育格差への対応は、学校をはじめ、様々な主体が連携して取り組むことが必要であり、学校を子供の貧困対策のプラットフォームと位置付け、学校教育による学力保障を図るとともに、学校を窓口とした福祉関係機関等の担当者との連携、幼児期から高等教育段階まで切れ目のない経済的支援や、地域住民等の協力による学習支援を通じて、総合的な対策を進めることが重要である。
具体的な取組例(「基本的な考え方」策定後に審議)
・ 幼児教育の段階的無償化の推進など教育費負担軽減、不登校児童生徒の教育機会の確保、夜間中学の設置促進、地域住民の協力や ICT の活用等による原則無料の学習支援 など
5.教育政策推進のための基盤を整備する
(学校指導体制の整備)
○ 複雑化・多様化する課題に対応しつつ教育の質を保障し、社会に開かれた教育課程を実現していくためにも、新しい時代の教育を担うための教員を養成するとともに、チームとしての学校を実現するための体制を構築し、家庭・地域・関係機関との連携・協働等を更に推進することが重要である。
○ このため、引き続き教員の養成、採用、研修の充実のほか、処遇改善等により優れた人材を確保するとともに、必要十分な教職員の配置や、専門スタッフと連携・分担する体制作りを進める等、学校指導体制の質・量両面からの充実が求められる。また、学校現場における業務の適正化を通じて、教員が子供と向き合う時間を確保するとともに、教員一人一人が持っている力を高め、発揮できる環境を整えていくことも重要である。(ICT の利活用)○ ICT については、多様な学習機会の提供や学習者の学習・活動の記録の基盤としての活用など、生涯を通じた学習の基盤であると同時に、学校教育においても教員自身が授業内容や子供の姿に応じて自在に ICT を活用しながら授業設計を行えるようにすることを含め、授業・学習面と校務面の両面で積極的な活用が不可欠になっていくことから、情報セキュリティの確保を前提としつつ、その整備を確実に進めていくことが必要である。
(安全・安心で質の高い教育研究環境の整備)
○ 国公立学校施設の耐震化はおおむね完了した一方で、老朽化が深刻化しており、安全面・機能面の両面において、その対策が急務である。老朽化対策の実施に当たっては、教育内容・方法等の変化や多様化への対応など教育環境の質的向上を図ることが必要である。また、私立学校施設については、国公立と比べ耐震化が大幅に遅れており、耐震化の早期完了が喫緊の課題である。
○ 児童生徒等が安全で安心な環境下で学ぶためには、施設面の整備に加えて、自らの安全を守るための能力を身に付けさせる安全教育や、安全管理、家庭・地域と連携・協働した学校安全の推進により、学校等における児童生徒等の安全を確保することが必要である。
○ また、質の高い学びを実現するためには、前述の ICT 環境整備等に加え、学校教育においては、教材、学校図書館の整備の充実を図るとともに、社会教育においても、地域の実情に応じた多様な学習機会の提供や社会教育施設等の教育環境の充実に向けた取組を推進することも重要である。
(高等教育の基盤整備・学校間の連携強化)
○ 国立大学等施設については、老朽化対策に併せ、次代を担う人材育成やイノベーション創出のための教育研究環境の整備を推進することが必要である。私立大学等施設については、各大学等の建学の精神に基づく多様で特色ある教育及び研究の一層の推進を図るための教育研究環境の整備を推進することが求められる。
○ また、高等教育のユニバーサル・アクセスを進める上で、障害の有無など多様な学生、社会等の多様なニーズにこれまで以上に的確に対応していくことが求められるとともに、人口減少社会の中で、地域における高等教育機関の教育機能の維持・向上を図っていくためには、高等教育機関間での連携を進め、各高等教育機関の強みをより活かしていく体制を地方自治体の協力も得て整備していくことが必要である。具体的な取組例(「基本的な考え方」策定後に審議)
・ 教職員指導体制・指導環境の整備、学校現場における業務の適正化の推進、ICT 環境整備、学校施設の耐震化・老朽化対策、学校安全の推進、教材整備、学校図書館の図書整備・新聞配備・学校司書の配置拡充、社会教育施設等の教育環境の充実、高等教育の基盤整備、日本型教育の海外展開 など
かなりのボリュームでしたがいかがでしたでしょうか。
今後の教育施策の土台にもなる基本計画。今回ご紹介した内容にはその考え方が記載されていますので、ぜひ知っておかれることをお勧めいたします。
ちなみに、コメントがある方はこちらからどうぞ。
パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ
コメントを寄せるためのページが同じページ内にはない(リンクすら貼ってない)のがパブコメに対する役所の姿勢を表しているような。
(文責:吉田)
高校生やその保護者にとって大きな関心事のひとつに将来の進路が挙げられるでしょう。教職員の方々も生徒の進路指導には大変なご苦労をされていることと思います。
これまでの常識や考え方が通用しない時代を迎えている中での進路指導は特に大変なものでしょう。
本日は、リクルート進学総研が公表した「高校の進路指導・キャリア教育の現状に関する調査結果」の一部をご紹介いたします。
この調査によると、「高校における進路指導の難しさについて、「難しい」と感じている進路指導主事の割合は91.9%に上り、前回調査(2014年)の90.0%から高止まりとなった」としています。
それでは、進路指導を困難だと感じている要因は何でしょうか。上位3つは以下のとおりです。
1位.入試の多様化(25.7%)
- 学習指導要領、入試制度が変わっていくことにより、新たな制度、取り組みを追加していく必要があり、個々の生徒への学習・進路指導などを十分に実施するためにの時間減少につながる。
- 大量の情報の中から、生徒にとって有利になるものを選択するのが困難。学校によって入試が異なるため、ケースごとに対応する必要がある。
- 高大接続改革の号令のとともに、ここ数年の学部改組や入試制度はとても教師が把握できるものではない。
2位.教員が進路指導を行うための時間の不足(25.6%)
- 教科指導、HR指導、部活指導に多くの時間をとられる。
- 近年授業の進め方(アクティブラーニング型)で時間が取られ進路対策が後手に回る。
- 英語の4技能重視や記述式入試の導入の為の国語の授業・指導方法の変更などの対応に時間がかかる。
3位.進路選択・決定能力の不足(24.1%)
- 「行きたい学校」ではなく、「行ける学校」を志望する安全志向が強くなっていること。
- 高卒後の幅広い進路選択において、自分の意志で決めきれなく、保護者や教員に頼る傾向が強い。
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教育現場が大きな転換期を迎えようとしている状況下で、上に挙げた理由はどれもそのとおりでしょう。大量の情報を収集し理解する必要があるだけでなく、様々なことへの対応にも追われ、教員の方々には大きな負担が掛かっていることは間違いないと思われます。
とはいえ、それを理由に生徒への進路指導を十分に行うことができないというのは、生徒にとってはたまったものではありません。
また、同じ学校でも教員によって保有する情報量が異なることによって、進路指導の内容にバラツキが生じてしまうようなことがあってはいけません。進路指導に関する情報に限ったことではありませんが、学校内の全ての教員に同じ情報が共有されていることは最低限必要です。
例えば、教員が個々に進路指導に関連する情報を取りに行くような状態であれば、教員によって保有する情報量には間違いなくバラツキが生じますし、何より全員が同じ情報を探しに行くというとんでもない非効率が生じます。
学校組織はフラットでマトリックス的な組織であることが大きな特徴ですが、一般企業のようなピラミッド型組織と比較すると情報共有という点では迅速性や確実性に劣ると考えられます。個々の教員が限られた時間で全てのことに対応するには間違いなく限界がある上に、学校全体としても非効率が生じる可能性が非常に大きいと考えられますので、情報収集と情報共有の体制を構築することは、進路指導以外でも様々な面での効率化につながるのではないでしょうか。
(文責:木村)
学校の部活動の在り方に関しては当ブログで過去に何度も取り上げていますが、生徒への過度な負担の軽減や教員の方々の長時間労働の是正といった観点から、やはり早急に見直しを検討する必要があると思います。
これは、一般的な学校の部活動に限らず、全国大会の常連校と呼ばれるような学校の部活動も例外ではないと思います。
「平日は早朝から晩まで練習漬け、週末は練習試合。毎週その繰り返し。おまけに先輩は物凄く厳しくて・・・」などと、テレビでプロ野球選手OBが自身の高校時代の体験談をユーモアを交えながら語っていることがありますが、そんな強豪校の部活動は現在どのようになっているのでしょうか。
今回は、そんな強豪校の部活動の実態に関する記事をご紹介いたします。
記事では野球部の強豪校の事例が紹介されています。
昨秋の九州大会を制し、今春の甲子園に出場する福岡大大濠(福岡)野球部は、週1日のペースで原則、月曜日を休養日としている。
普段の全体練習は、福岡市西区の専用グラウンドで約2時間半。試合を行うことが多い日曜日の翌日に休み、体力の回復や気持ちの切り替えを図るのが狙いだ。過ごし方は、部員各自に任せている。
正捕手としてチームを引っ張る古賀悠斗選手(17)は「バットもボールも触らないことにしている。勉強の時間に充てることも多い。いったん野球から離れてリフレッシュすると、次の日からの練習に一段と身が入る」と効果を口にする。
同部の休養日は、最近始まったことではない。OBの八木啓伸監督(39)によると、自身が高校球児だった約20年前には、すでに設けられていたという。八木監督は「部員にとっては、体のケアや、勉強の計画が立てやすくなる。部の良い伝統として続けている」と説明する。
今春で3季連続の甲子園出場となる秀岳館(熊本)野球部にも、休養日がある。社会人の松下電器(現パナソニック)などで指揮を執った鍛治舍巧監督(65)は2014年、監督に就任。それまで約4時間だった1日の練習時間を2倍近くに延ばしたが、部員の集中力が続かず、故障者も相次いだ。
そのため、練習を全くしない完全休養日と、ボールを握らずに筋力トレーニングや素振りだけを行う「ノースロー」の日を、それぞれ週1日の割合で設定した。メリハリをつけたことで、部員のけがも減ったという。鍛治舍監督は「休養に加えて、食事も気を使うことで部員の体が大きくなり、バットのスイングなどが目に見えて速くなった」と振り返る。
ごくごく一部の事例ですが、休養日を積極的に取り入れている学校があり、それが心身のリフレッシュとなって、集中力や練習効率の向上につながっているようです。
また、いくら強豪校の部活動に所属しているとはいっても、部活のためだけに学校へ通っているわけではありませんので、休養日をしっかりと設けることで、勉強やその他の活動に時間を充てることができるのは非常に良いことだと思います。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の言葉のとおり、何事も「適度」が重要です。学校の部活動に関しては、部活動に関わる教員それぞれの「適度」ではなく、学校としての「適度」をしっかりと明示する必要があるのではないでしょうか。
(文責:木村)
本日の記事、調査自体はずいぶん以前になされたものなのですが、ちょっと興味があったのでブログのネタにしてみました。
文部科学省HPより。
今時の高校生の情報活用能力はどのくらいなのか。
「調査結果に見られた課題」がまとめられているので、そちらに目を通してみましょう。
まずは<情報活用の実践力>から。
整理された情報を読み取ったり(➀),整理・解釈したり(➁)することはできるが,複数の情報がある多階層のウェブページから,目的に応じて特定の情報を見つけ出し,関連付けることに課題がある(③)。
また,複数の統計情報を,条件に合わせて整理し,それらを根拠として意見を表現することに課題がある(④)。
文章中に番号が打たれていますが、その番号は以下の通り、実際の出題項目と関連しているようです。
➀表や図が含まれる整理されたテキストから,コンピュータウィルスの現状を読み取る問題…正答率 77.7%
➁ウェブページに基づいて,購買決定プロセスモデルの表の各項目に,適当な字句をドラッグして整理する問題… 73.6%
③プラスチックのCDケースを何曜日に捨てることができるかという「ごみの分別クイズ」について,市のウェブページを基に解答を考える問題…37.2%
④複数の散布図を比較して,勝率を上げるために必要な練習メニューを(妥当な)理由を挙げて提案する問題… 完答9.8%, 準正答以上32.1%
ふむふむ。
現代、情報はあふれかえっていますから、その中で適切な情報がどれなのかを見極め、その情報を基に自らを表現すること、大切ですよね。
このような力をつけていく必要性がある、と報告書は教えてくれています。
続いて<情報の科学的理解 情報社会に参画する態度>です。
自動制御に関する情報処理の手順を考え,アルゴリズムを用いて表現することに課題がある(⑤)。
基本的な情報モラルは理解しているが(⑥),情報の発信・伝達の際に,他者の権利(肖像権や著作権)を踏まえて適切に対処することや(⑦ ⑧),不正請求のメールやサイト等の対処に課題がある(⑨)。
出題内容との関連は以下の通りです。
⑤ロボット掃除機の動作を示した要素をドラッグして,フローチャートを完成させる問題…46.2%
➅SNSの書き込みの問題点(情報モラルに反している点)を指摘する問題… 80.0%
⑦ウェブページで公開したい写真を,肖像権に留意して加工する問題…40.6%
⑧ウェブページにある情報を利用する際の出典や引用に関わる問題点を具体的に説明する問題…完答3.8%, 準正答以上54.4%
⑨ウェブページ上で不正請求の画面が表示されたときに,どのような対処が適切かを考える問題… 54.7%
モラルについても、昔は想像すらできなかった問題が起こる時代です。
各自の心がけや知識が大切なところ、現時点ではその力は十分ではないとの結果のようです。
最後に、「新たに見られた課題」を2点。
ある事象の原因や傾向を推測するために,どのような情報が必要であるかを明確にすること(⑩)。
多項目かつ桁数の多い数値のある表で示された統計情報を,表計算アプリ
ケーションを使って,数的な処理をすること(⑪)。
以下のような出題がなされ、いずれも正答率が低かったようですね。
⑩ある事象を調べるために,どのようなデータを入手したらよいかを具体的に挙げ,適切な理由を説明する問題…14.9%
⑪5年間の認知件数1件当たりの平均被害額を,表計算ソフトを用いて計算する問題… 16.3%
以上、結果をざっと見てまいりました。
高校生もまだまだだなあ、と思われましたか。
では、私たち大人と比べて、だったら…どうなのでしょうか?
この調査結果の脇に小さく出ていたこの結果を、どうお感じになるでしょうか。
1分間当たりの文字入力数 ・・・ 24.7文字
<参考>小学校 5.9文字 中学校 (高等学校と同一文章入力問題)15.6文字
いわゆるタイピングのスピードです。
あなたは高校生の平均と比べて速いでしょうか、それとも…???
各校にお伺いする中で、教員や職員の方が必ずしもPCスキルが高くない、というケースをわりあい多く見てきたような気がします。
未だに手書きの書類しか作れない、電卓でないと計算ができない、という方もいらっしゃいます。
これからの学校という場において、果たしてそれでいいのでしょうか。
かくいう私も、このようなことが得意と言えるレベルには達していませんので、とにかく勉強していかねばならないと強く感じています。
今回ご紹介した報告書の中にも、調査の際に出題された問題が掲載されているのですが、高校生の平均正答率を大人が上回れるのかどうか、正直なところ自信がありません。
ただ、これだけの情報があふれる世の中が現実になっている以上、それらとうまく付き合い、活用する力を持つべきは高校生や子供たちのみではないでしょう。
学校における情報活用能力を高めるために、教職員こそが意識を高める必要があるのかもしれませんね。
(文責:吉田)